九州内14中核病院に労基署勧告 違法残業や未払い 西日本新聞調査

 九州の35中核病院のうち、少なくとも14病院が、違法な長時間残業や残業代未払いなどで労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、西日本新聞の調査で分かった。回答した病院の約6割に上る。さらに長時間労働を是正した結果、10病院で患者に影響が及んでいる。医師不足に悩む地方の医療が、医師の長時間労働で支えられている実態が浮き彫りになった。

 7月上旬、特定機能病院や救命救急センター、総合周産期母子医療センター、基幹災害拠点病院に認定されている九州の35病院にアンケートを実施。24病院が回答した(回答率69%)。

 2013~17年度に是正勧告を受けた14病院は、新別府病院(269床、大分県別府市)から聖マリア病院(1097床、福岡県久留米市)まで規模はさまざま。勧告内容(複数回答)で最多は、労使協定(三六協定)で決めた上限を超えて労働させる違法残業で11病院。済生会福岡総合病院(福岡市)や北九州市立医療センターなどだった。複数の病院が「過労死ライン」の月80時間を超える協定を結んでおり、聖マリアでは月150時間の協定を上回っていた。

 次いで、残業や深夜労働で2割5分以上の割増賃金を払わなかったとする残業代未払いが、国立病院機構嬉野医療センター(佐賀県嬉野市)など4病院。「8時間超の労働で1時間以上の休憩」「1週間に1日以上、もしくは4週間に4日以上の休日」など、休みの規定違反も4病院あった。

 是正に向けた改革(複数回答)では、10病院は患者に直接影響していた。本人・家族への病状説明を原則、平日日中の診療時間内に限定したのが6病院、主治医が入れ替わる複数主治医制導入が5病院あった。聖マリアは今春から、外来診療の縮小や手術数の制限に踏み切った。済生会福岡総合は土曜外来を廃止した。

 医師の働き方改革を巡っては、厚生労働省が昨年8月に検討会を設置し、議論を続けている。6月末成立の働き方改革関連法は、残業時間の上限を原則「月45時間かつ年360時間」と定めるが、医師への適用は5年間の猶予が認められた。

=2018/08/02付 西日本新聞朝刊=

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