中国、積極財政で対抗 米貿易摩擦受け方針転換

西日本新聞

 【北京・川原田健雄】中国経済の構造改革を進めてきた習近平指導部が、米国との貿易摩擦で方針転換を余儀なくされている。地方政府の過剰債務対策としてインフラ投資を抑制してきたが、先月末に開いた共産党の政治局会議では、インフラ投資の拡大など「積極的な財政政策」で景気を下支えする方針を決定。貿易摩擦で先行き不透明感が増す中、景気優先の運営にかじを切る見通しとなった。

 国営通信新華社によると、7月31日の政治局会議では経済の現状について、米中の貿易摩擦を念頭に「新たな問題に直面している。外部環境に明らかな変化が起きている」と分析。今後は減税で企業負担を軽減する一方、インフラ投資を再び活性化させる。

 金融政策は「穏健で中立的」とした従来の基本方針から「中立」の文言を削除した。金融も緩和気味に軌道修正し、市場への資金供給を増やすとみられる。

 インフラ投資を拡大すれば地方政府の借金が再び膨らみ、構造改革が遅れる可能性が高まる。それでも積極財政に踏み切るのは、貿易摩擦に対する危機感の大きさの表れとも言える。

 トランプ米大統領は今後予定する中国製品への新たな追加関税について、当初の10%から25%に税率引き上げを検討しているとされる。中国外務省の耿爽副報道局長は1日の記者会見で「対話は相互尊重と信頼を基礎として成り立つ。一方的な脅しと圧力は逆効果だ」と米国をけん制した。

=2018/08/02付 西日本新聞朝刊=

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