キリスト誕生を再現?「馬小屋」の模型か 長崎・五島伝承、潜伏キリシタン信仰具に新解釈

西日本新聞

 長崎市の大浦天主堂キリシタン博物館は5日、長崎県五島市の潜伏キリシタンの子孫宅に残る信仰具が、イエス誕生の場面を表す馬小屋の模型である、との新解釈を発表した。一部研究者の間では知られた遺物だったが、馬小屋とは認識されていなかった。キリスト教美術の視点を加味して新解釈に至ったといい、同館は「類例のない貴重な資料」としている。

 信仰具は福江島南部、黒蔵地区の潜伏キリシタンの子孫が所有。木箱(縦約27センチ、横約48センチ、奥行き約28センチ)の中に、ホラ貝の上に横たわる山伏像、如来像などが配された作り。像の容姿から江戸時代に作られたと推定される。

 キリスト教圏では13世紀ごろからイエス誕生を祝うクリスマスに馬小屋に見立てた模型を飾る慣習がある。木箱には潜伏キリシタンが使っていた暦やクリスマスのオラショ(祈り)を記した古い文書も入れられており、同館の内島美奈子研究課長は、山伏は幼子イエス、如来像は聖母マリアなどと解釈。この木箱は馬小屋を表している、と導いた。黒蔵地区は18世紀末に外海地区(長崎市)の潜伏キリシタンが移住した地とされ、外海から持ち込まれた可能性が高い。

 キリシタン史に詳しい熊本大の安高啓明准教授によると、19世紀に馬小屋を表したメダイが天草で没収された記録はあるが、そのメダイは見つかっておらず、馬小屋を表現した遺物の確認は初めてという。同館は11日から9月26日まで開く企画展で披露する。

=2018/08/06付 西日本新聞朝刊=

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