僕は目で音を聴く(15) そのサイレン、どこから?

 救急車やパトカー、消防車のサイレン。補聴器を付けている私は「ピーポーピーポー」「ウーウー」のような音は聞こえるのですが、その違いを聞き分けられません。

 聴者(聞こえる人)は音が低めか、高めかで判断している人が多いのでしょうか。私は音の高さが分かりづらく、サイレンの音が鳴ると「何だろう?」と周りを確認します。割合としては救急車が通ることが多いので、だいたいは「救急車だろう」と想像はするのですが。

 運転中、サイレンが聞こえるときは身構えて、周りを注視します。音だけではどこから車が来ているのかさっぱり分からないからです。周りの車の動きで見当はつくのですが一度、冷や汗をかいたことがあります。眠気防止のために音楽をつけっぱなしで走っていた際、その音で救急車のサイレンがかき消されて死角から飛び出してきて、ぶつかりそうになったのです。それからは、運転中は音楽をかけないことにしています。

 最も困惑するのは、たまに回転灯をつけたまま走る車があることです。見掛けるたびに「本当はサイレンを鳴らして緊急走行しているのかも」と不安になります。補聴器の不具合なのか、電池が切れて音が聞こえないのか、周りの車の音でかき消されているのか-。集中して耳を澄まし、同時に周りの車の動きを何度も確認して、何もなければほっと一息、という感じです。緊急走行以外は、サイレンを赤とは別の色にするとかできないのかなあとも思います。

 最近のドライブレコーダーは無線などの電波をキャッチして、救急車やパトカーが近くに来ると、モニターにイラストで表示してくれるので便利です。もし可能なら、緊急車両の種類だけではなく、その位置や進行方向を含めて、さまざまな周辺情報をモニターに表示してくれる技術革新やシステムが導入され、広がっていかないかと期待しています。もちろん聴覚障害者だけでなく、誰にとってもありがたいことでしょうから。
 (サラリーマン兼漫画家、福岡県久留米市)

 ◆プロフィール 本名瀧本大介、ペンネームが平本龍之介。1980年東京都生まれ。2008年から福岡県久留米市在住。漫画はブログ=https://note.mu/hao2002a/=でも公開中。

※平本龍之介さんによる漫画「ひらもとの人生道」第1巻(デザインエッグ社発行)が好評発売中!

=2018/08/02付 西日本新聞朝刊=

関連記事

PR

PR