「一帯一路」の鉄道中止 マレーシア首相が明言

西日本新聞

 【バンコク浜田耕治】中国を訪問中のマレーシアのマハティール首相は21日、中国が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の主要事業で、既に建設が進んでいたマレーシア国内の大型鉄道事業について、当面中止すると明言した。ナジブ前政権で強まっていた中国依存を修正し、債務を削減して財政再建につなげるのが狙いだ。地元メディアが報じた。

 マハティール氏が中止に言及したのは、マレー半島の西海岸と東海岸の重要港湾を横断し、タイ国境までを結ぶ「東海岸鉄道」(約690キロ)。中国主導の事業で、ナジブ前政権が推進し、昨年8月に着工した。

 建設費のほか、中国から受ける融資への利子を含めると事業費は2兆円を超える。中国に巨額の債務を負うことから、5月の下院選で政権交代を果たしたマハティール氏は7月、国の経済にダメージを与えるとして中断を発表していた。

 マハティール氏は21日までの5日間、政権交代後初めて中国を訪問。習近平国家主席や李克強首相とそれぞれ会談した際に中止の方針を伝え、理解を得たという。中国企業が関与する天然ガスのパイプライン建設計画を同様に中止することも明らかにした。

 マハティール氏はまた、20日の北京での記者会見で「新たな植民地主義は望ましくない。貧しい国々は豊かな国々と競争することができない」と述べた。一帯一路を主導する中国がインフラ整備をてこに、新興国で勢力を広げている状況に強い警戒感を示したと受け止められている。

=2018/08/22付 西日本新聞朝刊=

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