貸本漫画の歩み紹介 「映画のような描写の礎」 明治大・藤本教授、熊本で講演

西日本新聞

 漫画の歴史に詳しい明治大の藤本由香里教授(漫画文化論)=熊本市出身=が12日、終戦直後に日本の漫画文化の礎を築いた「貸本漫画」の歩みをテーマに同市で講演した。藤本教授は、視点を切り替えて臨場感を生み出す表現手法について、「現在の漫画では当然のように定着している、映画のカメラワークのような描き方は貸本漫画から生まれた」と紹介した。

 貸本漫画は1950年代に最盛期を迎え、有料で本を貸し出す「貸本屋」は多い時には全国で3万軒を超えたとされる。高度成長期に所得増で本を買う人が増えたのに伴い、漫画を借りる習慣が薄れて貸本屋も徐々に衰退した。

 藤本教授は、少女向けの貸本漫画で描かれた小物や背景に触れ「貸本漫画は雑誌と比べてステータスが低いと一般的に言われるが、デザイン性が高く、新しい表現を生んだ作品もある」と評価。国外の漫画文化との違いにも言及し、「米国では表現そのものが評価され、古い作品も注目される一方、日本は物語の面白さを重視し、新しい作品が好まれる傾向にある」と分析した。

=2018/08/23付 西日本新聞朝刊=

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