葉室麟さんの人柄しのぶ 都内でお別れの会 筑後ゆかりの作家も参列

西日本新聞 筑後版

 昨年12月、66歳で亡くなった久留米市在住の歴史時代作家、葉室麟さんのお別れの会が17日、東京都千代田区の帝国ホテルであった。地元筑後ゆかりの人々も集い、執筆活動にとどまらず、「人と人とを結ぶ」ことにも尽力した葉室さんをしのんだ。

 小郡市の直木賞作家東山彰良さんは、何度も酒宴を共にした。「葉室さんは作品に自身の美学や哲学を込めていた。それはどんなにぶざまでも、どんなに理解されなくても、正しいことは美しいのだという美学。その美しさがきっと、誰かを救うという信念の下に小説を書いていた」と語った。

 八女市黒木町出身の直木賞作家安部龍太郎さんは、対談や講演で同席する機会が多かった。「優しく、思いやりが深い。自分よりも人のことを先に考える。人の痛みが分かる苦労人でもあった」と振り返り「葉室さんの作品が永遠に読み継がれるように」と願った。

 葉室さんは2015年から京都市にも仕事場を構え、久留米市と行き来しながら執筆に励んだ。大阪市の直木賞作家朝井まかてさんは、沖縄や長崎を取材で訪れた際、葉室さんから多くの人を紹介されたという。「ご自身の挫折や後悔を消去せず、自分が立つ土地にすき込んで耕し、思考し続けた。ここに集まったのは葉室さんにお別れを言い難い人ばかり。これからも本を読んで葉室さんと対話し、敬い、慕い、愛し続ける」と声を震わせた。

=2018/08/24付 西日本新聞朝刊=

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