スポーツ不祥事 自浄の努力が欠かせない

西日本新聞

 高潔にして健全、そして公明正大であることは、スポーツに絶対に欠かせないはずだ。にもかかわらず、なぜ、これほど無残な不祥事が続くのか。

 最近の例で言えば、ジャカルタ・アジア大会に参加していたバスケットボール男子日本代表の4選手が、買春行為で代表認定を取り消された。

 買春という行為自体が許されない上に、国費を投じて派遣された国際大会のさなかである。選手団の公式ウエアを着たまま夜の歓楽街に繰り出したというから、あきれるほかない。

 本来、健全性を保つべき各種競技団体や指導者側のコンプライアンス(法令・社会規範順守)の欠如も目に余る。

 助成金流用や不正判定疑惑で揺れる日本ボクシング連盟は、過去に暴力団員と交際があった会長を含め、理事全員が辞任届を提出した。9月の臨時総会で新理事を選任する方針だ。

 急ぐべきは、第三者委員会による疑惑の全容解明である。独断専横が指摘された前会長の体制が抱えていた問題点をあぶり出した上で、組織の立て直しに進むことが望ましい。

 全日本剣道連盟では、居合道の段位と称号の審査で受験者が合格目的で審査員らに現金を渡す不正が慣例化していたという。人格を磨き道徳心を高める武道の精神を汚す行為である。

 日本大アメリカンフットボール部の監督とコーチは、選手に危険タックルを指示したとして除名処分を受けた。日本レスリング協会は、前強化本部長によるパワハラを認め、被害者である五輪4連覇の伊調馨選手に正式に謝罪した。ここにきて日本体操協会では、まだ詳細は不明だが、有力選手を巻き込んだトラブルが表面化している。

 背景には、行き過ぎた勝利至上主義に加え、指導者と選手の間の絶対的な上下関係、競技団体のガバナンス(統治機能)の甘さといった、旧弊なスポーツ文化があるとみるべきだろう。

 こうした事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官は、競技団体に対する指導の在り方を見直す可能性に言及している。競技団体の健全化やガバナンス改善は、スポーツ庁の役割だ。国際大会への選手団派遣や選手強化に国民の税金を投入しているという現実もある。

 とはいえ、行政の介入は必要最小限が原則である、まずは、競技団体や運動部、大学当局などが、主体的に自浄の努力に取り組むことこそ肝要だ。閉鎖的運営を打破するには、理事などへの外部人材登用も広げたい。

 東京五輪・パラリンピックの開催は2年後に迫る。スポーツ界は、世界から厳しい視線が注がれていると自覚すべきだ。

=2018/08/31付 西日本新聞朝刊=

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