国会論戦を街頭上映で監視 論点ずらす答弁、字幕付きで解説

西日本新聞

 森友、加計(かけ)学園問題などが論戦された先の通常国会で、安倍晋三首相ら政権幹部による論点をずらす手法の答弁を「ご飯論法」と指摘した上西充子法政大教授(労働問題)が、街頭で国会審議の解説付き映像を上映する「国会パブリックビューイング(PV)」を始めた。「多くの有権者が実態を知り、監視すれば、政権の逃げの答弁を変えられる」。全国での街頭PVを呼び掛けている。

 8月下旬、夜の東京・JR新宿駅前広場。路上に設けた約80インチのスクリーンに国会審議の様子が映し出された。国会閉会直前の7月9日から始めたPVは、都内で既に7回実施した。

 映像の内容は働き方改革関連法案を巡り、首相や加藤勝信厚生労働相、官僚が野党議員の質問に対し、趣旨と異なる答弁を続けたり、はぐらかしたりするやりとり。計55分間で極力編集せず、質問と答弁を合わせて伝えている。

 上西教授は「テレビや新聞は答弁を断片的に取り上げがち。前後のやりとりも含め全体像を示さなければ、答弁の不誠実さが伝わらない」と考えるからだ。映像では、政府側が正面から答えない理由なども解説し、字幕も添えている。

 上西教授は5月、論点をずらす答弁を「朝ごはんは食べなかったんですか?」との問いに「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」という食事のやりとりに例え、ツイッターに投稿。「ご飯論法」と反響を呼んだ。

 首相は加計学園問題で「(プロセスに)一点の曇りもない」と繰り返したが、上西教授は「政府は、有権者の多くは実態を知らず、強弁すれば疑惑を塗りつぶせると考えているからだ」と強調。有権者による監視の必要性を説く。

 映像は衆参両院の動画を活用。国会質疑はインターネット中継もされているが「ネット空間は政治に無関心な層にはなかなか広がりにくい」と街頭での活動を始めた。毎回、20~30人ほどが足を止めるという。

 新宿駅前のPVを見ていた男子大学院生(23)は「政府の答弁はまっとうな指摘にも逃げていると感じた。議論する姿勢がなく、こんなことを続ければ国会が飾り物になる」と話した。

 解説付き動画は誰でもPVが行えるようツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開。既に京都市や都内で別のグループが上映を始めた。今月中旬には大阪で上映会を開く予定だ。

=2018/09/03付 西日本新聞朝刊=

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