有田焼チェス駒に普及版 従来の1割、2万円台から販売 名尾和紙製の盤面も制作

 有田焼の技術を取り入れた強化磁器製のチェスの駒を制作、販売している有田町の「陶楽」(原口隆社長)は、従来の同じデザインのものと比べ9割程度安い普及版の販売を始めた。佐賀市大和町の名尾地区に伝わる県重要無形文化財の名尾和紙製の盤面も制作しており、「オール佐賀」の技術を前面に、訪日外国人観光客らも視野にアピールを図る。

 強化磁器製のチェス駒は、県窯業技術センターが開発した素材を使用。一般の磁器と比べ、5倍程度の強度を持つとされ、有田焼伝統の紋様も施して昨年発売した。チェスの愛好家は世界に約7億人いるといわれ、地元の大会で使ってもらうなど普及に力を入れている。

 ただ、最も安い金ライン入りの白磁でもひとそろい22万円と高額で価格の引き下げを望む声が寄せられていることから、大量生産できる方策を検討。型、素焼き、鋳込みなどの職人が、焼き上げる際の変形を防いだり、釉薬(ゆうやく)と生地の相性などの研究を重ねたりして、歩留まりを高めることに成功した。

 普及版の価格(税込み)は、最も安い金ライン入り(白磁や赤釉など4色)が6種16個の駒ひとそろいで2万7千円。伝統工芸士による手描きは、4万8600円の蛸唐草(たこからくさ)から18万5760円の桜絵まで4種類のデザイン。転写は3万7800円などとなっている。

 また、名尾和紙製の盤面は折りたたみ式で、広げると通常のチェス盤と同じだが、折りたためば同じ物が二つとない和紙独特の味わいを楽しめる。1万円。

 原口代表は「有田焼のこれまで積み重ねた技術があったからこそ普及版が可能になった。和紙と合わせて海外にPRしたい」と話している。

=2018/09/09付 西日本新聞朝刊=

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