元気はつらつ男性ホルモン【しもじもの話】

西日本新聞

 最近の米国では、テストステロンという体内物質が注目されていて「テストステロン的だね」が褒め言葉になっているそうです。

 テストステロンは男性ホルモンの一つ。男性はほとんどが精巣(睾丸(こうがん))でつくられています。勃起や性欲、筋肉に関係するホルモンと思われがちですが、それだけではありません。チャレンジ精神や競争心を与え、公共性を重視する気持ち、仲間を大切にする心を育てる働きがあり、社会の中で頑張る力を生み出します。だから社会性ホルモンとも呼ばれています。

 つまり「テストステロン的だね」は、マッチョでエッチなことが大好きということではなく、積極的に運動して体形を維持し、いろんなことに挑戦をして「はつらつとしているね」という意味です。

 テストステロンは加齢やストレスで減少します。そうなると新しいことに取り組む意欲や集中力が低下し、新聞を読むのがつらくなり、人付き合いもおっくうになります。睡眠が浅くなり、筋肉は減って脂肪は増えます。記憶力は低下し、死亡リスクが上昇するという報告もあり、できるだけ減らしたくないホルモンです。

 学校で性教育の話をするとき、必ず「今日の服ステキですねぇ」と言ってくれる養護の先生がいます。身なりに気を付け、それを褒められればテストステロンはアップします。先日は仕事帰りに女性と一杯。鼻の下を伸ばしてもアップです。肉やタマネギ、ニンニクを食べ、早寝や運動などの少しの工夫でテストステロン的な生活が送れます。大丈夫かな、と心配なときは、どうぞ泌尿器科でテストステロン値を測定してください。

 ところで女性にもテストステロンがつくられています。定年を迎えしょんぼりしている男性を尻目に、更年期を過ぎた女性が元気になるのは、それまで女性ホルモンの陰に隠れていたテストステロンの働きが目立ち始めるからです。新しい趣味を始めたり、旅行に行ってみたりと、意気軒高な女性をよく見かけます。だからといって「テストステロン的だね」と声を掛けても、褒め言葉とは受け取ってもらえないかもしれません。

 (泌尿器科医・池田稔)

=2018/09/17付 西日本新聞朝刊=

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