「学問のすゝめ」初版本2例目 中津市「保存状態極めて良好」

 中津市は18日、全国で9冊しか現存が公式確認されていない福沢諭吉(1835~1901)の「学問のすゝめ」初版本が大江医家史料館で見つかったと発表した。2016年3月、地元郷土史家の遺族が同館に寄贈した書籍の中から発見された初版本に続き市内での発見は2例目だが、市は「保存状態が極めて良好」と話す。10月6日から福沢記念館(同市)で開催される企画展「『学問のすゝめ』のヒミツ」で公開される。

 今回発見された初版本(縦18センチ、横11・5センチ、33ページ)は、九州大のヴォルフガング・ミヒェル名誉教授が今年3月、大江医家史料館の所蔵目録を作成中に偶然見つけた。慶応義塾福沢研究センターの西沢直子教授が鑑定し確認したという。市教育委員会は「大江家が家文書として所蔵していたことから中津の人々に向けて『学問のすゝめ』が書かれたことがあらためて裏付けられた」と話す。

 市教育委員会によると、「学問のすゝめ」は、福沢の働き掛けで1871年に開設された中津市学校の生徒に学問の在り方を説いたとされ、72年2月から出版された。初版本は当時の最先端技術だった活版印刷で刷られたが、ベストセラーとなったため、同年6月からは大量印刷できる木版で増刷。初版は4カ月間で数百部しか印刷されなかったため、現在9冊しか公式確認されていない。

 一方、福沢が設立した慶応大との結びつきを強める市は、市歴史民俗資料館を改修し「新中津市学校」(仮称)として再整備する方針。慶大側と現在、福沢関連史料の受け入れや共同研究についても協議している。市教委は「新中津市学校を福沢研究の西の拠点として成長させ、学問のすゝめなど市内に埋もれた福沢関連史料のさらなる発掘にもつなげたい」と話した。

=2018/09/20付 西日本新聞朝刊=

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