たばこ離れに懸念の声 生産農家「経営成り立たない」 10月値上げ

 たばこ税の増税に伴い、10月1日からたばこが値上げされる。長崎県内は全国でも有数の葉タバコの産地。生産農家からは、たばこ離れに拍車がかからないかと心配の声が上がっている。

 紙巻きたばこの122銘柄を値上げする日本たばこ産業(JT)。1本当たり1円の増税に加え、原材料費の高騰によるコスト上昇を反映、20本入りのタバコで20~40円値上げする。同社の代表的な「メビウス」シリーズは40円値上げし、480円になる。

 県内では島原や五島地区が主な葉タバコの産地で、2017年度の収穫量は全国5位の1691トン。ただ、農家戸数(286戸)は年々減少傾向にあり、五島市崎山地区では昭和40年代には葉タバコ農家が100人以上いたが、高齢化による後継者不足などもあり現在は8人。その一人、山内三弘さん(72)は「これ以上、たばこ離れが進めば経営が成り立たず、生産者がいっそう減るのは明らかだ」と指摘。葉タバコ産業のさらなる先細りを懸念する。

 一方で、県内の17年度のたばこ税収入は、県が15億3千万円、市町が93億6千万。それぞれ県税の1・3%、市町村税の5・8%を占める。自治体にとっては貴重な財源となっているが、増税に加え、受動喫煙防止法による需要減の可能性もあり、県税務課は「今後の税収の見込みは立てにくい」と話す。

 国内のたばこの販売数量は96年度の3483億本がピーク。その後、健康意識の高まりや喫煙規制の流れ、度重なる価格上昇で喫煙者は減少し、17年度は初めて1千億本を割った。五島市のたばこ店主は「100円超上がった時ほどの駆け込みはないが、10カートン買った客がいた。今後は仕入れを控えめにして客の反応をみるしかない」と語った。

=2018/09/28付 西日本新聞朝刊=

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