99歳画家、光追い「100歳展」 西都市の弥勒さん

西日本新聞

弥勒祐徳さんと最新作「西都原の日の出」 拡大

弥勒祐徳さんと最新作「西都原の日の出」

弥勒さんが描き続けてきた自画像

 西日本文化賞の受賞者で100歳を間近にした宮崎県西都市の画家弥勒(みろく)祐徳さん(99)が来年1月23日から、宮崎市の県立美術館県民ギャラリーで「弥勒祐徳100歳展」を開く。33歳から本格的に画家として歩み始めて67年、朝まで舞い続ける夜神楽に命の原点を見いだし、色や形よりも光を追って西都原の朝日を描き続けた。最新作「西都原の日の出」など100号の大作や、個展の際に描き残してきた数十枚の自画像など、人生を振り返る100点以上の作品を展示する。

 1919年2月20日に西都市で生まれた弥勒さんは、19歳で小学校の代用教員となり、戦後は中学教諭として長く美術を教えてきた。民間の美術集団に加わり、各地の美術展で入賞。宮日総合美術展の無鑑査となり、90年に県文化賞、2008年に西日本文化賞を受賞している。

 軽自動車の屋根に100号カンバスを積み込んで各地に出掛けた弥勒さん。90歳代となり、足腰が弱ってからは電動シニアカーに乗り換え、やはり地域を回って写生を続けている。しわくちゃの笑顔を見せる白寿の翁は、菩薩(ぼさつ)のような雰囲気さえも漂わせる。

 久しぶりに取り組んだ100号の大作は、西都原の桜の季節を舞台に選んだ。長年描き続けてきた桜であり、朝日である。真っ白なカンバスに描かれた桜は、次第に赤く染まっていき、木々の間からのぞいた朝日が成長するように大きくなって、ついには桜を覆い尽くしてしまったという。そして、背景に再び赤い桜が描かれて、9月初めに最新作が完成した。内なる生のエネルギーを真っ赤な太陽に象徴させたような作品。

 若いころから足しげく通った西都原。「私は、太陽と桜と円陣を組みながら、描いてきたように思う」と弥勒さんは振り返る。「人間の存在の根源として太陽がある。全てはそこから生まれてきた」

 100歳展は2月3日まで。観覧無料。

=2018/09/28付 西日本新聞夕刊=

PR

最新記事

PR

注目のテーマ