公明党 「原点」を忘れていないか

西日本新聞

 公明党は30日、2年に1度の党大会を開く。党の最高議決機関で重要な方針決定などが行われるが、党自体は、どこに向かおうとしているのだろう。自民党との連立維持を重視するあまり、結党の原点ともいえる「草の根民主主義」や「清潔」「平和」を忘れてはいないか。

 党大会を前にした代表選では山口那津男氏の無投票6選が決まった。党大会で承認される。自公連立も継続し、自民党総裁選で連続3選を果たした安倍晋三首相を支えることになる。

 安倍政権で今後、公明党が直面する最大の課題は、憲法改正への対応にほかならない。首相は「憲法改正にいよいよ挑戦する」と改憲への意欲を改めて強調しており、9条に自衛隊を明記する改憲案を秋の臨時国会に提出する意向だ。

 公明党にも「与党で調整したい」と秋波を送る。前のめりの首相に公明党はどう向き合うのか。山口氏は「世論調査をみると改憲の優先順位は高いとは言えない」と慎重な言葉を繰り返し、与党協議にも否定的だ。

 共同通信社の世論調査では、秋の臨時国会に改憲案を提出する首相の意向について「反対」は51・0%と半数を占め、「賛成」の35・7%を上回った。公明支持層に限っても「反対」は50・3%で「賛成」の26・6%を引き離し、改憲への冷めた空気の根強さを裏付けた。

 こうした世論や支持層の声を公明党は、首相と自民党に正面からぶつけることができるのか。懸念を深めざるを得ない事態が続いてきた。先の通常国会で、公明党がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法に賛成したのには驚かされた。

 支持母体の創価学会はカジノへの嫌悪感が強いとされる。そのためだろう、整備法提出を政府に促した「カジノ解禁法」を巡る2016年12月の国会採決は自主投票とし、山口氏ら多くの幹部が反対票を投じた。ところが整備法の採決では一転して出席議員が一致して賛成した。

 参院定数を6増し、「合区」で議席を失う自民党議員を救済するのが主目的の改正公選法にも賛成した。平和の問題では15年、憲法違反の指摘が強い集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法に賛成した。安倍政権が抱える森友、加計(かけ)問題などでも物申す姿勢は甘い。

 自民党への原則なき同調が進んでいるとの批判に、山口氏は「単独政権なら自民党の暴走は加速する。公明党が政権内で歯止めになっている」と語る。

 そうであれば、改憲問題への対応は、党の存在意義すら問われかねない試金石といえる。原点を見つめ直す徹底的な論議を党大会などに求めたい。

=2018/09/29付 西日本新聞朝刊=

PR

社説 アクセスランキング

PR

注目のテーマ