「郷くんち」市内、近郊に多数 互いに交流、発展

 ここ長崎には、たくさんの「くんち」がある。10月7日開幕の諏訪神社の「長崎くんち」が最も知られているが、長崎市内や近郊の町など各地で地域住民が神社に奉納している。「郷(さと)くんち」と呼ばれる。

 市文化財課によると、郷くんちの数は「把握できていない」(担当者)というほどに多い。その中身を見ると、「式見くんち」のように紀州から伝わった歌舞伎舞踊を奉納する、というまったく形態の異なる祭りもある一方、龍踊(じゃおどり)など長崎くんちに登場する演目と同じ内容も少なくない。

 こうした両者の関係について、市歴史民俗資料館の永松実学芸員は「持ちつ持たれつ」と表現する。今月15日、橘湾に面する同市の中尾地区で奉納された「中尾くんち」。約250年前に始まった「中尾獅子浮立(ふりゅう)」とともに、長崎くんちに登場する「唐子踊」が演じられた。踊町(おどりちょう)の西浜町が演じていたが、かねて交流があった中尾地区に引き継がれたという。

 玉園町が奉納する獅子踊は、大正時代から物々交換などで縁が深かった長与町吉無田郷の人たちが協力している。一昨年に「上町コッコデショ」を披露した上町は、矢上地区で住民らが演じる「矢上くんち」のコッコデショから学んだ。過去も現在も、長崎くんちと郷くんちは、人や技術の交流を通じて互いに発展を遂げている。

 郷くんちの多くは、長崎くんちが終わった10月中旬から下旬にかけて開かれる。今年は少し長く、くんちを楽しんではいかが。

=2018/09/30付 西日本新聞朝刊=

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