【たっぷり福岡市長選】日本を最速で変えるのは「チャレンジャー首長」 高島市長が3選出馬会見で語った「都市論」

西日本新聞

 福岡市の高島宗一郎市長(43)は10月2日の記者会見で、11月4日告示、18日投開票の市長選への出馬を表明した。会見では3選出馬の理由のほか、市長としてこれまで2期の振り返りや、これからの基礎自治体のあり方、日本における「都市」の役割などについて持論を語った。

 来月の市長選で福岡市民の皆さんに投票の判断材料としてもらうのはもちろん、都市や地方など「自治体」がどうあるべきか考えるきっかけにしてもらうため、会見での記者と市長とのやりとりの該当部分をお伝えする。(三重野諭)

共産党の推薦候補が福祉や経済論を主張「福岡市民にかけられた魔法を解きたい」

◆「選挙出ないの」「ちょっと、東京行かないでよ」

-市長選挙、告示まで約1カ月となった。市長が判断を示す時期と言っていた、(市議会の)決算特別委員会も今週始まる。今、市長はどういう考えか-

 11月の市長選挙、3期目に出馬をしようと思います。引き続き福岡の勢い、元気をしっかりと、このまま流れを止めずに、チャレンジをしていきたいと思っています。

 本来言っていたように決算が始まってから、時期的にはしっかり考えていこうと思っていたんですが、出馬要請がありました。非常に要請をいただくようになって、しかもその時に非常に大きな報道をしていただいたおかげで、外に出ても「選挙出ないの」「ちょっと、東京行かないでよ」と行きつけの飲食店のおばちゃんとか、弁当屋のおばちゃんから、すごくそういうことを言われた。市民の皆さんの心配の声を非常に聞くようになりました。

 もちろん、市民のためにしっかりと、せっかく空気が変わってきたこの福岡の勢いを止めることなく、引き続きチャレンジしていきたいと思ってるんです。ただ大切なことですから、ゆっくり考えて結論を出していきたいと思っていたんですけれども、多くの市民の方に心配をかけてしまっても良くないということで、出馬する方向は早めに打ち出していかないと、方向性だけは現時点で言わせていただいた。

 私にとって、まだこれから決算という大事な議会が控えているわけですから、当面は議会公務に集中させていただく。選挙の具体的な話に関して、来期については決算が終わってから考えていきたい。

-選挙公約については議会が終わった後に示すのか-

 公約等の選挙に関する細やかな内容については、決算が終わった後に考えていければ。しばらくは現職で大切な市政を担っているわけですから、集中したい。

◆自公などの支援「これまでの態勢で」

-政党あるいは市議会会派の支援、推薦、あるいは政策協定を結ぶといったことは、現時点ではどう考えるか-

 前回(選挙)も確か、自民公明から、党としての推薦をいただいたと思うんですね。多分引き続きという形で、これまでの態勢は変わることなく、と考えています。市(議会)でいくと、(自民党)新福岡(という会派)が増えたので、(支援する市議会の会派が)3から4になるって思いますけど、基本的には態勢は変わらず、ということですね。

-自民と公明には党としての推薦を求めていくという理解でよいか-

 どっちでも良いんですけどね。8年間(一緒に)やってきてますから、今更「初めまして」っていうこともないので。私を推薦したいというふうに党の方で思えば、推薦していただければ良いし、マスト案件ではないので。

-今回、「自民党新福岡」が出馬要請した。前回選挙で市長を支援した公明党市議団、自民党市議団に対してもこれから支援要請を考えていく感じか-

 基本的にもう与党の態勢は変わらないし、これまで通りということ。そこは特に大きな変化、例えば新しく別の政党が与党に加わるとか、考えが違う方が入ってくるようなことはないので。基本的にはずっと8年前から変わらず、というとこですね。

-自公からは推薦で、「公認」を受けず、立候補は「無所属」ということでいいのか-

 ですかね、よく分からないです。とりあえず、党員ではないということです。

◆「アナウンサー上がりにできるわけない」

-市長としての2期8年を総括して、一番良くできたなという点と、ちょっと積み残したなっていう点を教えてほしい-

 そうですね、きょうが選挙前の最後の定例会見ということになりますので、場合によっては皆さんと最後になるかもしれませんし。

 振り返ってみて8年間で、うーん、何かなぁ。思い出すとしたら。昨日食事をしてたお店のおばちゃんが「あんた東京行かんめーね」、なんて話をしてきたんですけど「そんなとこ行くわけないやん。大丈夫よ」って言ったんです。

 その時に「8年前、大変やったよねー」っていう。市長になってすぐは36歳になったばかりでしたから、いつも仕事を一緒にする、役所の職員の多くも(年が)上の方ですし、お話をする経済界の方も皆さん父親以上の年齢の方ばかりだったわけです。

 そういう中で最初の逆風が非常に大きくて、何を言っても信じていただけないし、「アナウンサー上がりにできるわけない」というような事も言われてね。すごくやっぱり悔しい思いを当時はしていたことを、昨日ちょっとお話をしながらね。「あんた変わったね、頑張ったね」って言ってくれたのをね。

 忘れませんけど、就任した当日のテレビの放送ですね。「行政経験無し、経営経験無し、難問山積の福岡市、前途は多難です」っていうナレーションだったことは、今でも録画してるんで、何度もこれはもうね(笑)、見ることができるんです。

 こういうナレーションで流していただいてて、そういう状況があったんです。ただ、信じてもらえない中でも、チャレンジを繰り返して一つずつ数字をつくっていくことによって、ちょっとずつ信じていただける方が増えて。

 最初は「MICE(マイス※)」っていう言い方が、なかなか一般的ではなかったので、「簡単に言えば観光ということです」っていう注釈を付けながら、これから交流人口を増やすことが福岡の成長戦略になるんだっていうこととか、「知識創造型産業」を集積しないと、福岡の未来はないんだということとか。

※国際会議や展示会、大型コンベンションなどを指す

◆「福岡の空気が変わった」

 それから「支店経済」からの脱却という中で、単に本社機能誘致というだけじゃなくて、「ここで新しくビジネスを生まなきゃいけないんだ」と。少しずつチャレンジし、政権も変わって後押しの風も吹いてきたというようなこともあって、こういうものが非常にちょっとずつ、数字に出てくるようになる中で、信じていただける方が増えてきて。今、一番この8年間で変わったと自負できるものがあるとするならば、「福岡の空気が変わった」っていうところかな。一つ一つ施策というより、そこに関しては自分でも「変わったなあ」と思います。

 やり残したことに関してですけど、うーん、出し惜しみは一切しないし、「いつごろになったらアクセル踏もう」なんて考えることは一切しないので。思い付いて、これは打ち出せるとなった瞬間に、どんなタイミングであっても適宜適切にどんどん弾は出してきたつもりです。これをやれば良かったとか、これがたまっているということが、あるわけではないので。

 そういう意味では全力で8年間走り切った。もちろん、評価するのは市民の皆さんなので、皆さんからすれば「こういうとこ、もっとしてほしかった」というものもあるかもしれないし、また、(市としては)しているんだけども届いてなかった、だからもっとうまく広報してきちんと安心していただけるために、広報すべきことがあったのかもしれません。

 特にこの8年間悔いがあるわけではないので。やり残したことがあるかって言われると、今ぱっとこう思い浮かぶことは、特にないですけどね。

◆「これから間違いなく都市の時代がやってくる」

-市長は政治家として年齢が若くいろんな選択肢があったと思う。いろんな噂もあったが、あらためて福岡市長にこだわったのは、どういう所なのか-

 8年前に話が来たときに、どうして今、市長という話が自分にくるんだろうって考えたときに、例えば日本って考えたときに、国が決める法律って全国一律なんですよね。道路交通法で道路は(時速)何キロっていっても、それは福岡であっても、山の奥もあれば、天神のど真ん中もあれば、全国で見れば、東京23区もあれば。

 いろんな個性の地域がある中で、全国一律の法律を決めていくより、やっぱり、それぞれの地域には特性があるので、その地域なりの個性を最大限に生かして、それぞれの地域が輝くってことが、これが集まった日本が宝石箱のように輝いている国になっていく。これが一番の近道って思うんですね。

 これを実現できる、一番力を持っているのは実は自治体。都市だと思っています。特にこれから間違いなく都市の時代がやってくると確信をしています。多分、国の役割、県の役割ってこれからどんどん最低限のものに極めて収れんされていって、都市からグローバル、シティーからグローバルへ、つまりローカルからグローバルっていうのが、よりダイレクトに結びついて、それぞれの都市がグローバルネットワークを築いていきながら、その強み同士をどんどんつながっていける時代になっていくと、私は先を見ているわけです。

 そういう時にこの福岡市の役割って非常に大きいと思っています。なんと言ってもこれまでの2000年の歴史の中で、福岡は日本と海外の窓口でもありました。地理的な状況もそうですし、大学も多くて、今これだけスタートアップも元気になってきて、新しい価値をいろんなコラボレーションでつくっていける、こんな環境がある福岡が、やっぱり日本の地方から元気を発信していくのは、日本の「再興」にとっても、非常に大きな役割があると信じています。

 ですから、政治家の中でも、特に政令市の首長は大きなやりがいがあると考えています。福岡市長ではありますけれども、私の意識としては、おこがましいですけれども、九州全体、そして日本全体というところも見ていく。福岡が変わっていく、チャレンジをすることで、九州ないし日本全体も、いろんな意味で触発され、早く変わっていくっていう、その一助になっていくんだっていう、そういう意識でいます。

 政令市、もしくは一般市でもいいんですけれども、基礎自治体、「シティー」の時代が来る中で、ぜひ全国で若い首長がどんどん誕生して、私と同じように、行政経験がなかったとしても、別の分野からでもどんどん新しいチャレンジャーが、全国から新しい首長がどんどん誕生してくる。そして、その都市がどんどん変わっていくのが、日本が最速で変わっていく、一番合理的なやり方なんじゃないかな、とも思っています。
 
 思い出した(笑)そうそう、「天神ビッグバン」「ウォーターフロントネクスト」、そして「スマートイースト」、それから博多旧市街、「福岡100」。こういうプロジェクトも、せっかく形になりだしてきてるんで。きょうもこれから大事な(記者)会見があります。そういったものも着実にこの流れを止めることなく、進めていきたいという思いもございます。

=2018/10/03 西日本新聞=

共産党の推薦候補が福祉や経済論を主張「福岡市民にかけられた魔法を解きたい」

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