「宿泊税は県税」45自治体 県が全市町村アンケート

西日本新聞

 福岡県は3日、観光振興財源として創設を検討する宿泊税について県内全60市町村に実施したアンケートで、75%に当たる45自治体が「県税」として徴収することに賛成したとの結果を公表した。宿泊税を巡っては、県より後に検討を始めた福岡市が県を追い越す形で導入を決定し、県と同市の対立に発展。県はアンケート結果を後ろ盾に、県税で徴収することの「正当性」を市に訴える考えだ。

 アンケート結果は、同日の県議会決算特別委員会で、香原勝司氏(自民党県議団)の資料要求に応じて提出された。

 県によると9月6日に各自治体にアンケート文書を送付。今月2日までに全自治体から回収した。県が宿泊税を導入することへの賛成が45、反対が1、その他が4、無回答が10だった。

 賛成した45自治体のうち、42自治体は「県が新たな財源確保を行い、市町村の観光振興の取り組みを支援してほしい」との意見。「使途を明確にし、民間への財政支援も行って」「観光資源に恵まれない地域でも活用可能な制度に」との要望もあった。県によると反対した1自治体は福岡市で、「県が宿泊税を導入すると二重課税のおそれがある」との理由だった。

 このほか、「県に求める役割」(複数回答可)を尋ねたところ、増加する訪日外国人客の受け入れ環境充実への支援や観光の専門家による研修実施、市町村をまたぐサイクリングルートの開発などに期待する意見が多かったという。県は結果を有識者などでつくる検討会議に提示する方針。

 県は福岡市も含めた県内全自治体の宿泊客に課税し、県全域の観光振興策に充てたい考え。これに対し、同市は「観光客増加に対応するのは基礎自治体の役割だ」として市独自の課税を目指し、真っ向から対立している。

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福岡市の検討委始動「県との関係、論点にせず」

 福岡市は3日、宿泊税の導入に向けて、宿泊施設の関係者や有識者による調査検討委員会の初会合を開いた。今後、数回の会合を開いて税額や課税対象など具体的な制度設計を進めるが、報告書を取りまとめる時期は未定としている。

 委員長に選任された同志社大法学部の田中治教授(税法)は終了後、県も宿泊税を検討していることについて「現時点で積極的に論点とすべきだとは考えていない。委員会の守備範囲は具体的な制度設計」との考えを示した。二重課税への懸念に関しては「今後の委員会の議論などを踏まえて考えたい」と述べるにとどめた。

 委員会は、市議会が9月に宿泊税創設を盛り込んだ条例を可決したことを受けて設置。委員は、福岡市ホテル旅館協会やJTB総合研究所の関係者ら計4人で、この日は市側が市内の観光振興の現状や他都市の導入事例などを説明し、税率や課税対象などについて議論した。

=2018/10/04付 西日本新聞朝刊=

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