立憲民主党 「1強多弱」打開へ道筋を

西日本新聞

 政権交代が可能な政治を、もう一度取り戻すにはどうすべきか‐。そんな試行錯誤の1年だったといえるだろう。

 今月3日で結党1年を迎えた立憲民主党のことだ。「立憲フェス」と銘打った党大会で枝野幸男代表は「野党第1党として政権の選択肢となり、遠からず政権を担う」と誓った。

 「次の総選挙で」ではなく、「遠からず」と党首が表現せざるを得ない現状に、この政党の苦悩が集約されている。

 政権交代の現実味に乏しく、確かな展望も開けていない。野党第1党として未熟で発展の途上にあるということだ。

 生い立ちを振り返れば、無理からぬことかもしれない。立憲民主党は衆院選を直前に控えた1年前、民進党の代表代行だった枝野氏が新党「希望の党」への合流に反発して結成した。

 急ごしらえの新党だったが、公示前勢力の3倍以上の55議席を獲得し、いきなり野党第1党に躍進した。「結党から20日で最大野党になった」(枝野氏)のは異例だ。同時に「野党第1党とはいっても史上最小の勢力」(同)である。現在は衆参で計75人に膨らんだが、巨大与党に正面から対峙(たいじ)する勢力としては確かに物足りない。

 「まっとうな政治」を掲げ、国会では森友・加計(かけ)学園問題などで安倍晋三首相らの責任を追及してきた。全国各地でタウンミーティングを開いて原発ゼロ基本法案を練り上げ、国会に提出したのも、草の根を重視するこの政党らしい成果だろう。

 一方で、「数合わせの権力ゲームとは一線を画す」などとして、国民民主党など旧民進党勢力の再結集には距離を置く独自路線を貫いてきた。

 野党の分裂と再編の過程で生まれた政党だけに、「同じ轍(てつ)は踏まない」という姿勢は理解できる。とはいえ、国会対応や選挙協力など、野党がばらばらでは政権や与党を利するだけ-という現実の問題も少なくない。

 野党第1党である以上、野党勢力を束ねる柔軟性や包容力がもっと必要ではないか。

 来年は統一地方選と参院選が行われる。巨大与党に挑む野党共闘の試金石となるはずだ。

 先の沖縄県知事選は立憲民主党など野党5党が支援する玉城(たまき)デニー氏が初当選した。政権が推進する米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する立場で足並みをそろえ、政党は裏方に徹する戦術が奏功した。「野党が一つにまとまれば与党推薦候補にも対抗できる」という証しだ。統一選の知事選や参院選の1人区で参考になる実績だろう。

 「1強多弱」の状況を打開する道筋をどう描くか。野党第1党の使命と責任は重大である。

=2018/10/08付 西日本新聞朝刊=

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