厳かに華やかに響き合う バッハの名曲など協演 福岡女学院講堂で演奏会

西日本新聞

 福岡女学院(福岡市南区曰佐)のギール記念講堂で11月10日、コンサート「パイプオルガンとトランペットの出逢(あ)い」が開かれる。両楽器の協演は、日本ではあまりなじみがないかもしれないが、欧州では「伝統のコンビネーション」として広く親しまれている。荘厳さと華やかさが響き合うひとときとなりそうだ。

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 出演者は、パイプオルガンが野美山由加里さん、トランペットが渡辺隆太さん。「一般には、賛美歌の伴奏楽器のように思われているオルガンが、もっと幅広く奥深い魅力を持っていることを多くの人に伝えたい」(野美山さん)と企画された演奏会だ。

 演目には、まず18世紀のドイツで活躍したバッハの作品を取り上げる。有名な「トッカータとフーガ ニ短調」のほか、バッハのオルガン曲の集大成とも称される「パッサカリア」も。この曲は「基調となる低音が続く中、多彩な作曲技法が組み込まれた主題のバリエーションが繰り返されるので、聴き手は1曲の中で、さまざまなバッハの要素を堪能できる」という。

 19世紀にバッハの音楽を復興したメンデルスゾーンの「プレリュードとフーガ」なども予定されている。

 オルガン演奏を華やかに彩るのが渡辺さん。クリスマスなどキリスト教の大事な行事の際に奏でられる音楽に、祝祭のイメージを加えるのがトランペットという。渡辺さんは「音の出る原理が似た楽器同士なので、心地よい音色の協奏を楽しんでもらえるはず。吹奏楽に取り組む中学生や高校生の心にも響くサウンドをお届けしたい」と話す。

 野美山さんは「地方ではパイプオルガン演奏に接する機会がまだ少ない。親子そろって、いろんなオルガンの世界観に触れてほしい」と話している。

 コンサートは午後2時開演。前売り2千円(当日券2500円)。高校生以下は無料。JR南福岡駅、西鉄井尻駅から西鉄バス45番で。車での来場者は駐車場を利用可。実行委員会・福冨さん=090(2399)5555(午後6時まで)

 野美山由加里(のみやま・ゆかり)さん
 福岡県出身。福岡女学院高音楽科から東京芸術大オルガン科に進学。卒業時にアカンサス音楽賞(音楽学部最優秀賞)を受賞。同大学院でも学び、現在は福岡を拠点にソロ活動のほか、アンサンブルにも多数出演。日本オルガニスト協会正会員。

渡辺隆太(わたなべ・りゅうた)さん
 東京都出身。14歳よりトランペットを始める。東京芸術大、同大学院で学び、修了後、ウィーン市立音楽大学院に留学。北村源三、カール・シュタイニンガー各氏に師事。演奏活動の傍ら、後進の育成・指導にも当たっている

パイプオルガン
 大小・長短の音管が多数配列された鍵盤楽器。音の出る原理はリコーダーなど管楽器と同じ。音管それぞれが一つの音の高さ、音色を持ち、鍵盤が押されると内部にある風箱から特定の音管に空気が送り込まれて音を発する。

 福岡女学院の楽器は2007年、創立120周年を記念して、元院長の柿薗ヤヱさんが残した基金で設置された。フランスの工房ガルニエ社が、バッハが愛用したと伝わる17~18世紀の中部ドイツ・バロック様式で製作。力強さと繊細さを併せ持った弦楽的な音色が特徴とされる。

 演奏者は、手と足を駆使して鍵盤を操り旋律を奏で、ストップ(音栓)を操作して音色を変える。足で鍵盤を操作するペダリングの妙は「大道芸のように見えるかも」(野美山さん)。


=2018/10/16付 西日本新聞朝刊=

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