福岡県警科捜研職員「博士」に 新手法 古い血液もヒトと判別

西日本新聞

 事件現場などに残された古い血痕を「ヒトの血液」と判別する新たな鑑定手法を確立したとして、福岡県警科学捜査研究所(科捜研)の職員松村秀策さん(37)が今月、福岡大の医学博士の学位を取得した。19日、福岡市の県警本部で会見した松村さんは「これまで難しかった微量の血痕でも鑑定可能になるため、未解決事件などの捜査に貢献したい」と語った。

 県警でDNA型鑑定を担当する松村さんは、2012年4月から福岡大医学部法医学教室に在籍し、休日などに研究を重ねてきた。

 DNA型鑑定は通常、血痕が簡易の検査でヒトの血液と証明された場合のみに実施する。血痕が微量だったり古かったりするほかに覚醒剤などの異物が混じっても検査試薬が反応しないため、ヒトのものだと分からず、DNA型鑑定まで行き着かなかった。

 松村さんは、血痕の遺伝子DNAから合成される化学物質「メッセンジャーRNA」を調べ、ヒトかどうかを判別する手法を確立した。実験では37年前の血痕も見分けられたという。研究論文は、世界的な法医学誌に掲載された。

 松村さんは「保存条件の悪い血痕も判別できるように今後も研究を深めたい」と意欲を燃やす。県警は新たな鑑定手法を捜査で取り入れる。科捜研職員の学位取得は4年ぶり9人目という。

=2018/10/20付 西日本新聞朝刊=

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