豪雨被災地に実りの秋 日田市小野、大鶴、夜明地区 2年ぶり稲刈り、芋掘りに歓声

西日本新聞

 秋真っ盛り-。昨年の九州豪雨で大きな被害を受けた日田市の小野、大鶴、夜明の各地区でも、住民や子どもたちが豊かな実りを迎えた田や畑で収穫作業に汗を流した。来月で豪雨から1年4カ月を迎える被災地の人たちは、平穏な日常をかみしめている。

 豪雨の影響で中学校での間借り授業が続く小野地区の小野小は19日、農事組合法人「小野谷」が管理する地区の田んぼで稲刈りをした。昨年は、田植えをした小学校近くの田んぼが被災して収穫ができなかった。今年は別の田んぼで田植えをし、学校としては2年ぶりの収穫の日を迎えた。

 この日、5年生5人が田んぼに入り、鎌を手にザクザクと音を立てて稲を刈った。稲の穂並みの中を進むコンバインにも乗せてもらい、収穫の喜びを感じていた。初めて体験した熊谷明人くん(11)は「植えた時は小さかった稲が、どうしてこんなに大きくなったんだろう」と驚いた。

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 大鶴地区の井上酒造では20日、同社そばの田んぼで常連客や社員ら約20人が黄金色に実った酒米の刈り取りをした。今年は、豪雨の影響で作付けを諦めた近所の田んぼも借りて昨年より広い計21アールで「山田錦」「雄町」を栽培。猛暑や台風の被害もほとんどなく「出来は上々」という。

 井上百合社長(53)は「災害を乗り越えて少し自信もついた。多くの人の協力でできた酒米でいい酒を造りたい」と意気込む。収穫した米は、日田の米と水で仕込む「百合仕込み」特別純米酒として来年4月の蔵開きなどで限定販売する。

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 園舎が被災した夜明地区の夜明にこにこ保育園では、20日に芋掘り、22日に稲刈り体験があった。

 芋掘りは近くの佐藤アヤ子さん(90)の畑で、佐藤さんや近所のお年寄りに手伝ってもらってサツマイモを掘った。自分の顔より大きなイモが取れると園児たちは大はしゃぎ。澄み切った秋空に元気な声を響かせた。

 芋掘り体験の目的の一つは地域のお年寄りと園児の交流。佐藤さんは「子どもが喜ぶ姿を見ると気持ちがいい。パワーをもらえます」と笑顔で話していた。

=2018/10/24付 西日本新聞朝刊=

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