西日本豪雨 遠賀川から流出か 三里松原海岸に漂着ごみ 放置3ヵ月

西日本新聞

 広域に被害をもたらした7月の西日本豪雨で、福岡県の遠賀川から流出したとみられる大量のごみが、同県芦屋町から岡垣町にかけて広がる「三里(さんり)松原海岸」に漂着したまま放置されている。海岸を管理する県は年内に撤去したい考えだが、約2千立方メートル(7月調査)という「過去に経験のない量」(県港湾課)の処分先探しや、玄海国定公園の一部である海岸への作業用道路設置に苦慮している。浜辺の美しい景観は、いつよみがえるのか。地域住民はその日を待ち望んでいる。

 アシやペットボトル、スチール製の家具などが浜を広く覆っていた。豪雨から3カ月。10月に入っても「日本の白砂青松100選」にも選ばれた海岸は往時の趣を失ったままだ。サーフィンに訪れるという北九州市若松区の男性会社員(24)は「漂着した竹で足を切った。来るたびに危ないと感じる」と話した。

 県によると、海岸は芦屋町の芦屋港から岡垣町の波津漁港までの約8キロ。アカウミガメの産卵地としても知られる。

 7月の豪雨の際、遠賀川中流域の同県直方市などで、堤防が耐えられる最高水位を示す「計画高水位」を超えた。決壊して市街地が浸水する恐れが生じ、国は河口堰(ぜき)を開放。結果、海岸に大量のごみが漂着した。

 県は焼却施設などを持つ近隣自治体や企業にごみの受け入れを打診したが、処理能力の超過や海水に浸ったごみで炉が傷むことが懸念されるため、受け入れ先は現在も決まっていない。

 撤去には重機を運び込む必要があるが、浜辺へ抜ける松原内の道は細くて使えず、国有林は伐採もできない。県は、海岸沿いの自転車道を作業用道路として活用する方法を模索中だ。

 手をこまねいている県に対し、景観回復を願う町民有志がごみを拾う活動に乗り出している。岡垣町住民環境課は「有志はタイヤなども集めてくれている。しかし、人力で全てを片付けるのは無理」と明かす。町内の男性(85)は「美しい浜辺は地域の宝。管理者として、県には責任を果たしてほしい」と訴えている。

=2018/10/26付 西日本新聞夕刊=

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