「子どもや被災者の心に芸術の力を」 ダンサーと音楽家がグループ結成 県内で慈善公演

西日本新聞

 熊本市中央区のバレエスクール「エクラン」を主宰する篠原くららさん(27)の呼びかけで、ダンサーと音楽家の集団「くまもとアート・プロジェクト」が発足し、3日、初めてのチャリティー公演「リベル」を八代市で開いた。今後、県内各地で開き、収益は開催市町村の芸術振興のために寄付する。篠原さんは「生の舞台に触れて心を動かし、豊かな時間を持ってもらえたらうれしい」と話す。

 篠原さんは2016年4月の熊本地震で熊本市南区の自宅が全壊し、エクランが入るビルは水道管が損壊して水浸しになった。受講生が早く日常生活に戻れるよう、1週間後にはスクールを再開。自宅を再建するまでの約1年間、避難した八代市日奈久の実家から通いながら、指導した。

 プロジェクトの構想が浮かんだのはこの頃。以前から、子どもたちが生の芸術に触れる機会を増やしたいと考えていたのに加え、気持ちが沈みがちな被災者たちの「心の復興に芸術の力を役立てたい」という思いが募ったという。

 昨年11月にエクランの講師、笠マリコさん(28)とプロジェクトを結成。熊本市のヒップホップダンスや東京の現代舞踊などのダンサーが加わった。さらに県内を中心に活躍する若手音楽家に声を掛けると、サックス、バイオリン、和太鼓、チェロ、ドラム、ライアー(たて琴)、ピアノの演奏者が集まり、総勢約20人の顔触れとなった。

 篠原さんが創作した「リベル」は、ピエロの恋と希望、失恋、絶望、新たな出会いまでを描いた物語で、ダンスと生演奏で繰り広げる約1時間の舞台。クラシックの名曲12曲の演奏を織り交ぜ、初演では楽器を紹介した後に上演した。篠原さんは「ピエロにそれぞれの自由な思いを投影してほしい」と呼びかけた。

=2018/11/04付 西日本新聞朝刊=

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