タカばあちゃんTV応援 「福岡県久留米市の91歳」 「来季は本拠地胴上げを!」

西日本新聞

 本紙夕刊の電話投稿コーナー「テレプラ」の常連「福岡県久留米市、女性、91」は福岡ソフトバンクホークスの大ファンだ。ホークスが勝っても負けても投稿を寄せ、しばらく投稿がないと「お元気でしょうか」と気にかける読者もいるほど。彼女の名は、中村ケイ子さん(91)。今年の日本シリーズ、球場での応援はかなわなかったが、両手にメガホンを握り、テレビの前でホークス優勝を後押しした。

 テレプラに投稿する時の第一声はいつも「タカばあちゃんです」。趣味の民謡のおかげか、張りのある声。1人暮らしで足腰が弱ってきたため、今年春に介護付き施設に入居した。

 ホークス戦のテレビ中継はもちろん、高校野球や大リーグも日々チェックする。「野球が大好きやけん」。日本シリーズは個室の照明を暗くして、テレビだけつけて全試合観戦。「負けた日は悔しくて、なかなか寝付けなかった」という。

 昨季はシーズン中、ヤフオクドームに計6回、足を運んだ。1人での観戦も慣れている。宮崎市のキャンプ地、福岡県筑後市にある2軍本拠地にも、おいに車で連れて行ってもらう。

 中村さんは振り返る。戦時中、挺身(ていしん)隊に入り、食品工場で労働した。20代前半で結核にかかり、入院。3年間の病床生活で出合ったのが野球だった。「ラジオで聞く野球の試合。ベッドで夢中になって聞いた」

 その後、福岡県警の久留米署で事務職として定年まで勤め上げた。仕事終わりには、平和台球場でのナイター観戦。「電車を乗り継いで、平和台球場まで走った。路面電車もあった頃で球場への道のりは、今でも浮かんでくる」という。

 テレプラで大ファンだと公言する和田毅投手の話題になると、中村さんの目は一段と輝く。「ちょっと野球選手にしては、顔がきれいすぎるよね」。照れくさそうに笑う。球場で和田投手が近くまで来た時、「頑張って」と声を掛けようとしたが、言葉にならなかった。施設の部屋の棚には、和田投手のうちわと下敷きを飾っている。

 ヤフオクドームには、昨年10月のクライマックスシリーズを最後に足を運んでいない。「日本シリーズもやっぱり生で見たかった。今度はヤフオクドームで日本一の胴上げを見せてほしい」。タカばあちゃんはすでに来シーズンを見据えている。

=2018/11/04付 西日本新聞朝刊=

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