【たっぷり福岡市長選】神谷氏、高島氏の一発目の訴えは 2週間の一騎打ちスタート

西日本新聞

 福岡市長選が4日、告示され、いずれも無所属で、共産党市議団の事務局長で新人の神谷貴行氏(48)=共産推薦=と、3選を目指す現職の高島宗一郎氏(44)が立候補を届け出た。選挙戦で一番最初に各候補が理念や政策を訴えた「第一声」。届け出順にたっぷりと紹介する。

「オタクで炊事メン」「強い人には、こびない」候補者の横顔紹介

市民の暮らしと福祉にお金を回す 神谷貴行氏

 神谷氏:市長選挙、争点三つあります。一つは、博多駅から博多港、そして天神まで行くロープウエー、賛成か反対か。出馬を表明してからいろんな方のお話を聞いていますけれども、「博多駅前からぜひロープウエー作ってほしいのよ」とか「あれがないと病院にも買い物にも行けないよ」とかいう声は、ただの一人も聞いたことありません。

 博多港の周りに巨大な開発地域とか作って、カジノとかホテルとか作って、そこに来るクルーズ船、コンサートのお客さんを運ぶ、そこに400億円を使う。こんなばかげた計画ですよ。私が市長になったら、きっぱり中止します。市民の皆さんの暮らし、福祉にお金を回しますよ。

 共産党の市議会議員の事務局を12年やってきました。つぶさに市政を見てきたのですけど、今の市長さん、確かに経済は成長してますよ。けど、中身はどうか。市内の企業の内部留保、ため込んでいるお金は40%増えている。皆さんの賃金とか可処分所得、手取りは減ってしまっているんです。

 結局、今の市長さんになって、大企業を応援して、ウオーターフロントとか、天神ビッグバンとか、大型開発だけやっていれば、市民の暮らしに回ってくるというやり方、2期8年やって、大失敗だったということが明らかになったのではないでしょうか。こんな市政のやり方は変えて、市民の暮らしと福祉にお金を回します。

 例えば、今の市長になって、年収が300万円未満の低所得が市内世帯の半分を占めるようになってきた。市内のお年寄りとか、非正規の皆さんが増えてきた。市長になったら、家賃の補助を始めていきます。国の補助のメニューがありますから、2万円、そして市が2万円補助して最大4万円。生活にゆとりが出る。私が市長になったら、民間の借り上げも含めて、市営住宅を増やしていきます。

 そして私、小学5年生の娘を育てている子育て世帯です。教育費にお金が掛かる。大学に行くのに何百万円も借金しないといけない人が4割もいる。異常な社会。私は、市独自の返さなくて良い奨学金を始めていきます。

 就学援助といって、ランドセルとか制服に補助をつけてくれるお金があるんですけど、市長はこれを引き下げた。元に戻し、拡充していきます。

 そして、介護保険料、利用料も高い。引き下げていきます。ロープウエーなんかにお金を使っている場合じゃないですよ。市民の暮らしと福祉にお金を使う。争点の一つは、ロープウエーなんかにお金を使う高島市長を選ぶのか、それとも、あんな馬鹿な計画をきっぱりとやめて、暮らしと福祉にお金を使う私、神谷を選ぶのか。

 二つ目の争点は、福祉のあり方です。高齢者乗車券、削らないでもっと拡充して欲しい、という署名が4万件も集まっている。それなのに、今の市長は、最大1万2千円もらってタクシーやバス、電車、地下鉄にも乗れる大変便利な制度なのに、削ったり無くしたりする検討を始めちゃったんです。

 「何でも税金で解決するのは古い、これからは配る福祉から支える福祉だ」なんて言って、配る福祉である高齢者乗車券を4年後に廃止するというシミュレーションを始めた。代わりに、支える福祉、町内会やボランティアをやったらポイントをあげましょう。こんな福祉にしようとしている。

 あるいは、バスが来なくなった地域には車をやるから、町内会やボランティアで運転しましょうという案も検討している。私ね、市内で町内会長を5年やってきました。一番の悩みは、担い手がいない。仕事がいっぱいあるせいです。押しつけ仕事が年間1千件もある。

 これ以上支える福祉なんていう体のいいことを言って押しつけ、配る福祉を無くしたら、福祉もズタズタ、地域もボロボロになってしまう。争点の二つ目は、なんでも町内会に押しつける今の市長を選ぶのか、それとも、高齢者乗車券を守り発展させて、町内会を発展させる神谷を選ぶのか。

 そして三つ目。これは国の大きな政治の流れが問われる。沖縄で玉城デニーさんが当選しました。あのとき、新しい基地は作ってほしくないという声に合わせて「今の安倍(晋三)さんの政治はもうごめんだ」という声が上がったんじゃないでしょうか。

 来年10月に消費税10%に上げると安倍さんは言っている。ぜひ上げてほしい人は誰もいない。そういう時に、安倍さんべったり、麻生(太郎)さんべったりの政治家が、福岡で言えば、高島さんでしょ。

 市長選挙でもし今の市長が勝つようなことがあったら「福岡は安倍さんの政治でいいのかな。消費税10%に上げていいのかな」というメッセージを送っちゃうことになっちゃいます。

 消費税を上げるな、憲法9条はいじるな、原発は動かすな。このメッセージをしっかり主張している神谷貴行と一緒に、新しい政治の流れを福岡から始めていこうじゃありませんか。

 今回の市長選挙、私と今の市長の一騎打ちです。公開討論をやろうじゃないかと今の市長に言ったら、先日は市民団体(福岡市長選に立候補表明した二人から話を聴く会)が2人を呼んでくれましたが、今の市長はとうとう来なかった。しっぽを巻いて逃げたんです。

 市民の前に今の市政が良いのか悪いのか問うていくことができない。「国民保険料を高いから引き下げよう、どうですか」と聞きたい。私と市長で意見が一致しなくても、そのことを一緒に建設的に声を上げていこう。それが公開討論をすればできるんです。市長さん、逃げないで、討論に応じてください。このことをぜひ訴えたい。

 2週間で決着がつきます。私と、1%の(富裕層の)ためでなく、99%のための新しい市政、ご一緒に作っていきましょう。私一人ではできません。皆さんお一人お一人が立ち上がって、ぜひ新しい市政を作っていきましょう。

成長と生活の質の向上、好循環を固める 高島宗一郎氏

 高島氏:8年前、この後ろには「とりもどせ元気」「とりもどせ信頼」と書いていた。これは私に「あんた市長選に出てくれんや」と頼まれた自民党市議団の故石村一明先生が付けてくださった、私の最初の選挙の時のキャッチフレーズでした。あれから8年がたったわけです。

 絶対にこの福岡を元気にしてやる。そんな思いを持って8年前に当選したのは36歳になった直後でした。何を言っても信じてもらえない。「アナウンサー上がりの行政素人ができるわけない」。たくさんそうしたことを言われながら、大変悔しい思いをしてきたのも事実であります。

 でも、今考えれば、確かに36歳の自分に対して「こんな若い奴に任せても大変なことになってしまうんじゃないか」と思う気持ちは、今になればもちろん理解できる。でも、皆さんに託していただいた以上、絶対に結果を出してやる。悔しい思いを力に変えて頑張ってきた。

 馬鹿にされるくらいだったら嫌われた方が良い。リーダーは孤独であると思って、とにかく結果を出すことにこだわって突き進んで来た。その結果とともに少しずつ仲間の数も増えていった。

 8年の間、想像もできなかったいろんなピンチにも直面した。博多駅前の大陥没、それから熊本地震。圧倒的な困難を目の前にして、私一人の力ではどうしようもない、そんな時に力になっていただいたのが、今日(出陣式に)来ていただいている皆さん方であり、企業であり、団体であり、多くの皆さんが垣根を越え、それぞれの専門分野からサポートをしてくれました。

 そして「オール福岡」ということで、さまざまな危機を何とか乗り越えることができたわけです。ピンチをチャンスに変える。大きな困難もみんなで力を合わせて乗り越えていく。そうやって支えられてきた8年間でもありました。

 そしてみんなでチャレンジをしてきた結果、今、こうやって「とりもどせ元気」ではなく「福岡の成長進行中‼」、そうした旗を立てることができるようになった。3年間で税収伸び率が11位から1位になりました。今は、5年連続、日本の中で唯一、税収伸び率が過去最高を更新し続けているのは福岡市だけです。クルーズ船(寄港回数)も日本一になった。

 こうやって福岡は、都市が元気になったからこそ、これまでの4倍のペースで保育所を増やして、今、1万3千人以上、枠を拡大した。全ての中学校区ごとにスクールソーシャルワーカー、地域と学校、家庭をつないでいく、そんな役割の皆さんも配置できた。

 学校の小中学校のエアコンも全ての教室に付きました。例えばピロリ菌のような、がん検診も新しく始めることもできるようになった。ノンステップバスも増えて、体に障害がある方にもいろんな方にとっても優しいまちづくり、これができるようになったのも、福岡の都市の成長と、生活の質の向上の好循環が回り始めたということなんです。

 福岡はこれからも成長しなければいけない。これからの高齢化に向けて、市民の皆さんの生活の質を良くしていく。この好循環を確固たるものとするためにこれからもチャレンジを続けていきたい、そうした思いで3期目、出馬をさせていただくことにしました。

 選挙の2週間、この貴重な期間を使って、普段なかなか回ることができないような地域の声を、改めて原点回帰、聞いていきたいと思い、そんな選挙活動をしようと思った。

 今日はまず小呂島に行ってきます。玄界島にも行ってきます。普段なかなか公務で行くことができないような場所。そして、表通りだけではなく、裏通りも含めてどんどん回っていって、市民の皆さまの声を地道に丁寧に聞いていきたいと思う。

 福岡の都市が成長して、どういう形で生活の質の向上に回していけばいいのか、市民の皆さんが今、どんなことを期待しているのか、そんな声をしっかりと聞いて、3期目の市政に生かしていく。そんな2週間の選挙戦にできればと思っている。

 私は「リーダーシップを持って、どんどんチャレンジを」とお話ししたが、今日も来ていただいている自民党市議団の皆さん、公明党市議団の皆さん、みらい・無所属の会の皆さん、自民党新福岡の皆さん。こんな議会の皆さんが、私が進めるほとんどの議案、大きく後押しをしていただいたから今の結果があるわけです。

 そうした皆さんとも今回、改めてしっかりと市民のために全力で施策を前に進めていく、そんな選挙にもなればいいと思う。そして、今日集まっていただいた皆さんのお顔を改めて拝見する中で、みんなと力を合わせれば、必ず何でもできると思う。これからの困難をチャンスに変え、次世代に素晴らしいこの福岡を残していけるために、この2週間の選挙戦をしっかりと戦い抜くことを皆さまにお誓いを申し上げる。

=2018/11/05 西日本新聞=

(参考記事)成長する福岡経済 「果実」どう分け合うか

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