熊本市長選 候補者の横顔

 4日告示された熊本市長選には、いずれも無所属で現職の大西一史氏(50)=自民、公明推薦=と、新人で元市議の重松孝文氏(71)=共産推薦=の2人が立候補し、18日の投票に向けて論戦を繰り広げている。2人の経歴や横顔を紹介する。 (届け出順)

市民との直接対話身上 大西一史氏(50)=無所属現職(自民、公明推薦)

 県議を4期務めた父に影響を受け、政治家を志した。衆院議員秘書を経て、30歳で県議に初当選した。2002年、熊本市長選に立候補した幸山政史氏とともに自民党を離党。ローカルマニフェストの活用などを訴え「若手の改革派」と注目されてきた。発信力に定評があり、9月の北海道胆振(いぶり)東部地震では、ツイッターで熊本地震の経験を踏まえた助言を続けた。

 前回の市長選で74万人が暮らす政令市のトップとなり、議会で政策をチェック・批判する側から最終責任を負う立場に変わった。就任1年4カ月後、熊本地震が発生。一時11万人が避難した公的施設の運営、223億円がかかる市民病院の再建決定と重要な局面が相次いだ。「『24時間が24日』の感覚で判断を迫られた。職責の重さを日々感じてきた」と振り返る。

 座右の銘は、誠心誠意努力するという意味の「至誠努力」。モットーは「市民の声を聞いて本音で行く」。前回市長選では、約1300人の市民と対話しマニフェストを練り上げた。

 ただ、市長就任後は公務が忙しく対話の機会は限られがちだ。早くから2期目への出馬が取りざたされたが「しかるべき時期に適切に判断」と慎重な言い回しが続き、周囲から「トップに就き胸の内が見えにくくなった」との声も聞かれる。

 「久しぶりにたくさんの市民と直接対話するのが楽しみ」と選挙戦に臨む。趣味はドラム演奏。妻と中学1年の長女と3人暮らし。

被災者一人残さず救う 重松孝文氏(71)=無所属新人(共産推薦)

 地震後、熊本市内の仮設住宅に足を運び続けてきた。「市長の顔が見えない」「市から見捨てられている」…。そんな被災者の声を聞く度、現市政に疑問を感じた。「今のままでは、被災者を一人も残さず救うことはできないのではないか。皆さんの声を届ける必要がある」。古希を過ぎて立候補した真意を語る。

 1995年から市議を3期12年務めた。政治を志した原点は、81年から事務長として勤めた熊本中央法律事務所(熊本市)での経験だ。貧困問題などに苦しむ相談者と接するうちに、法律だけでは解決が難しい悩みがあると痛感した。「社会的弱者を助けるにはどうしたらいいのか」。導き出した答えが「政治」だった。

 市議時代、県道熊本益城大津線沿線の同市東区佐土原で大型ショッピングセンターの開発計画が浮上。現地調査や地域住民の声を聞き、空港へのアクセス道路が大渋滞になる恐れがあると判断。「暮らしやすさが損なわれる」と反対し続けた結果、市は開発不許可を決定した。

 市議を退いた後も、現場に足を運ぶことを、常に心掛けてきた。共産党熊本地区委員長として市民の声を聞き、市政運営に目を光らせる。

 戦国時代の名将、武田信玄の言葉にある「人は城」が座右の銘。人を大切にし、信頼しあえる関係を築くことの大切さを信じる。

 趣味の落語鑑賞が、心の癒やし。古典落語には目がない。妻と2人暮らし。

=2018/11/06付 西日本新聞朝刊=

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