閣僚の資質 「説明逃れ」は許されない

 案の定と言うべきか。第4次安倍晋三改造内閣を巡り、「閣僚の資質」を野党が臨時国会で厳しく追及している。

 国民の政治不信を招きかねない問題を指摘された閣僚は説明責任を果たすのが当然だ。

 ところが、その責任を放棄したも同然なのが、「口利き疑惑」を週刊誌に報じられた片山さつき地方創生担当相である。

 週刊文春によれば、税務調査を受けた会社経営者が3年前、税制上の優遇措置を受け続けられるように、国税庁への働き掛けを片山氏側に依頼した。税理士でもある片山事務所の私設秘書に見返りとして100万円を支払った、という。

 片山氏は「違法な口利きをしたこともなければ、100万円を受け取ったこともない」と疑惑を否定している。名誉を毀損(きそん)されたとして週刊誌の発行元に損害賠償を求めて提訴した。

 だが、説明責任を果たす場となるはずの記者会見で「弁護士から裁判外での説明は控えてほしいと言われている」などとして詳細な説明をしていない。国会の予算委員会でも「裁判が予定されており、全部内容も公開される」などとして具体的な答弁を控えている。

 無論、名誉毀損で民事裁判を起こすのは本人の自由だが、それを盾に取って国会での説明を事実上拒むとは、本末転倒としか言いようがない。

 「閣僚の資質」が問われているのは片山氏だけではない。

 桜田義孝五輪担当相は、所管する東京五輪・パラリンピックの大会ビジョンや政府支出の経費を問われ、しどろもどろの答弁で質疑が頻繁に中断した。

 「教育勅語」について「現代風にアレンジすれば、今の道徳教育に使える」などと発言した柴山昌彦文部科学相が物議を醸した問題もまだ記憶に新しい。

 いずれも初入閣の閣僚だ。内閣改造に先立つ自民党総裁選で安倍首相(総裁)は大半の派閥から支持を取り付け、連続3選を果たした。その結果、各派閥から多くの閣僚待機組が入閣を果たし、野党は「滞貨一掃内閣」と批判した。首相は「適材適所」と強調するが、ほころびが露呈し始めたのではないか。

 新閣僚ばかりではない。決裁文書改ざんなど不祥事が相次いだのに続投した麻生太郎副総理兼財務相は、「自分は適材適所と思うか」と問われ、「自分の能力を自分で判断するほどうぬぼれていない。後世の歴史家の判断を待つ」と答弁した。

 勘違いも甚だしい。部下の官僚だけが処分され、トップの政治家がけじめをつけていないことに多くの国民は首をかしげているのだ。「閣僚の資質」は再任の元首相にも問われている。

=2018/11/07付 西日本新聞朝刊=

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