日本はミャンマー政府支援を継続 ロヒンギャ問題

 日本政府はロヒンギャ問題で批判を強める欧米諸国とは一線を画し、ミャンマーを支援する立場を取っている。批判する側に回れば「さらに国軍を硬化させ、民主化の動きを止めかねない」(ミャンマー研究者)との懸念があるためだ。

 9月25日付の米紙ワシントン・ポストに、河野太郎外相の寄稿が載った。「国際社会が行うべきなのは批判ではなく、ミャンマー政府の努力を忍耐強く支えることだ」。今月初めには日本の駐ミャンマー大使が現地メディアの取材に「日本と欧米の政策は違うが、ミャンマー民主化というゴールは同じ」と強調。対立を深刻化させまいと躍起だ。

 日本がミャンマー政府を擁護するかのような姿勢を見せる背景には、中国の存在がある。中国はミャンマーが民政移管する前から経済支援を続けて影響力を強め、ロヒンギャ問題でも制裁や訴追に反対。ロヒンギャが暮らす西部ラカイン州には中国が開発権を握る港湾があり、軍事利用される可能性が懸念される。

 日本も、安倍晋三首相が10月に来日したアウン・サン・スー・チー国家顧問との会談で、同州でインフラ整備を進める方針を表明。ミャンマー支援関係者は「経済と安全保障の両面で中国の影響力が突出する状況は避けたい」と明かす。

 日本が描くのは、難民の早期帰還による問題の沈静化だ。だが京都大の中西嘉宏准教授は「国際社会の大勢はもはや、難民の帰還と人道支援で水に流そうという雰囲気ではない」と話す。

 人道犯罪を裁く国際刑事裁判所は9月、ロヒンギャの「国外追放」について「管轄権がある」と判断した。今後、迫害を指揮したとされる軍幹部への捜査が始まれば「橋渡し役を目指す日本への風当たりが強まる」(中西准教授)恐れがあり、日本政府は難しいかじ取りを迫られる。

=2018/11/11付 西日本新聞朝刊=

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