朝倉の小学校跡、命守る復興拠点に 防災施設整備、宅地分譲も

西日本新聞

 福岡県朝倉市は13日、昨夏の九州豪雨の際に甚大な被害を受けた同市久喜宮(くぐみや)地区で、閉校となった旧久喜宮小学校跡に備蓄機能を備えた防災拠点施設を整備し、運動場を被災者向けの分譲地として造成する方針を明らかにした。地域のコミュニティー維持と防災力向上が狙い。住民の思い出が刻まれた学校が、住民の命と生活を守る復興拠点へと生まれ変わる。

 旧久喜宮小は地区の中心部に位置し、今年3月に統廃合で閉校した。市によると、災害時の避難所に指定している体育館は残し、校舎やプールは2019年度に解体。鉄筋コンクリート平屋の防災拠点施設(供用開始予定21年4月)と約4800平方メートルの「防災広場」(同22年4月)を整備する。

 施設は非常食や飲料水、土のうなどの備蓄と要支援者の避難スペース、調理室などを備え、地元自治組織が入居。平時には集会施設や防災研修の場として活用する。広場は避難者用の駐車場を兼ね、マンホールトイレや非常時にかまどとして使えるベンチなどを設置。普段は地域の催しに利用できる。費用は総額約4億2300万円。

 約4千平方メートルある運動場は、約200平方メートル単位で10区画程度に分割し、主に地区内の被災者や復旧工事の用地買収の対象になる住民に販売する。筑後川が氾濫した場合の浸水想定区域に入っており、約50センチかさ上げして造成し、安全性を確保。購入を希望する世帯の把握を進めている。

 久喜宮地区では、豪雨で大規模な山崩れと河川の氾濫が発生した。「古里で自主再建しようにも土地がない」と悩む住民もいる。久喜宮地域コミュニティ協議会の原田栄之助会長は「学校跡はこれからも地域復興の中心。地域の活力維持に生かしたい」と歓迎している。

=2018/11/14付 西日本新聞朝刊=