高血圧治療薬、心不全に効果 九大大学院グループ「マウスで機能改善確認」

西日本新聞

 九州大大学院薬学研究院などの研究グループは、高血圧症治療薬として承認されている薬に、心不全状態のマウスの心機能を改善する効果があることを確認した。既に安全性が確認されている薬で効果を明らかにしたことで、グループの西村明幸講師(生理科学)は「ゼロからの創薬よりも費用や時間をかけずに治療薬開発につなげられ、メリットは大きい」としている。

 心疾患による死者は年間約20万人で、日本人の死因2位。そのうち心不全は約4割を占める。研究グループは心臓の収縮力を低下させる心筋の老化に、細胞内のミトコンドリアの異常分裂が関与していることを突き止めた。

 さらに、高血圧症治療薬「シルニジピン」に従来の作用とは別に、ミトコンドリアの分裂を阻害する薬理作用があることを発見。心筋梗塞状態にしたマウスにシルニジピンを投与したところ、4週間で心筋の収縮力上昇が見られた。

 心筋梗塞になる前に投与すると、機能低下を抑制する薬剤は報告されているが、一度低下した機能を改善する効果がある薬は珍しいという。今後数年かけて、薬の適応拡大か、似た構造の治療薬開発を目指したいとしている。

 研究成果は14日、米科学誌サイエンス・シグナリング電子版に掲載される。

=2018/11/14付 西日本新聞朝刊=

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