鳥栖工高で溶解・鋳造実習 九州でも実施数校 70年続く伝統行事

西日本新聞

 キューポラと呼ばれる溶解炉を使った鉄の溶解・鋳(ちゅう)造実習が12日、鳥栖市元町の鳥栖工高であり、機械科2年40人が緊張した表情で取り組んだ。実習は同高で70年以上続く伝統行事。危険が伴い費用もかかるため県内の高校では2校でしか行われておらず、九州でも実施は数校という。

 キューポラは高さ9メートル、内部の直径60センチ。原料の鉄くずと燃料になるコークス(蒸し焼きした石炭)、不純物を取り除くための石灰石を入れて熱風を吹き込むと、1500度近くに温度が上がる。実習では「カーン、カーン」という鉦(かね)の合図で、ドロドロに溶けたオレンジ色の鉄が「取鍋(とりべ)」と呼ばれる容器に流れ出た。この日は鉄560キロを取り出した。

 生徒たちは、東亜工機(鹿島市)鋳造課の渕上政徳課長(厚生労働省ものづくりマイスター)や同高教職員の指導を受けながら作業した。時間を計る係や取鍋を運ぶ係、溶けた鉄をひしゃくで鋳(い)型に入れる係、鋳型に砂をかぶせる係、こぼれた鉄を処分する係などに分かれ、てきぱきと動いた。鉄は万力の部品や文鎮などに加工される。

 取鍋担当の牛島良さん(17)は「流れ出た鉄の熱気がすごく、汗が一気に出た。運ぶ際に人に接触しないように気をつけました」。ひしゃくを持った墨田巧真さん(17)は「重くて大変でした。鋳型に入れるときにこぼさないか不安でしたが、落ち着いて作業できました」と話していた。

=2018/11/17付 西日本新聞朝刊=

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