成長都市、暮らしで実感を 福岡市長3選 高島氏真価問われる

西日本新聞

 【解説】3選を果たした高島宗一郎氏にとって、首長として真価が問われる4年間が始まる。九州経済を引っ張る最大都市の成長力に磨きをかけながら、超高齢化と少子化という難題に正面から答えを出す“二兎(にと)”を追わなければならない。

 2020年の東京五輪・パラリンピックをピークとして、日本経済は下り坂に入るとの指摘がある。高島氏はこれを踏まえ2期目の任期中、「『ポスト五輪』の時代に、福岡市が日本をけん引する活力を保っていられるよう種まきをしている」と語ってきた。

 都心ビル群の再開発事業「天神ビッグバン」、国内外から九州に人を呼び込む観光振興、福岡発の有力企業を育てるスタートアップ(創業)支援…。いくつかの種は芽吹き始めており、その流れを強く太くしていく必要がある。

 高島氏が公約に掲げたロープウエー構想は争点の一つになった。都市の魅力づくりの一環だが、需要や費用がまだ不透明で、市議会の与党系議員からも疑問の声が上がるなど、市民の理解が深まった段階とは言い難い。今後、情報を十分に開示しながら、議論を積み重ねていくべきだ。

 「元気都市」と評され、人口増加数も20政令市で首位の福岡市だが、足元では65歳以上の高齢化率が21・4%になっている。45年には31・7%まで上昇するとの推計もあり、超高齢化の加速は避けられない。

 一方で、超高齢社会を支える15~64歳の生産年齢人口の割合は減っていく。市は持続可能な社会保障づくりを目指し、100の施策に挑戦するプロジェクトを始めたが、成果はこれから。待機児童の解消策も含め、市民は暮らしのさらなる充実を待っている。

 3期目に入る福岡市長は、故桑原敬一氏以来となる。今回、史上最多得票を更新して一定の信任を得た高島氏は、いまだ44歳の若さと国中枢とのパイプも含め、大きな政策実現力を手に入れた。アナウンサー出身の「政治の素人」は8年の経験を積み、「1強権力」になった。であればなおさら、信条のスピード感は守りつつ、議会とのコミュニケーションに心を配り、選挙期間中と同じように市民の声にも丁寧に耳を傾ける-。そんな懐深さを見せてほしい。福岡市の将来を分かつ次の4年間の職責を、全力で全うしてもらいたい。

=2018/11/19付 西日本新聞朝刊=

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