入管法衆院委審議入り 急ぐ与党に批判噴出 27日衆院通過の方針

西日本新聞

 外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案は21日、衆院法務委員会で山下貴司法相が提案理由説明を行い、実質審議入りした。山下氏は失踪した外国人技能実習生を対象にした法務省の調査結果に誤りがあったことについて「心からおわびする」と述べた。安倍晋三首相は29日に外遊に出発する見通しで、自民党の二階俊博、公明党の斉藤鉄夫両幹事長は21日、都内で会談し、27日の衆院通過を目指す方針で一致した。野党側は反発を強めている。

 山下氏は法務委で「誤った資料をほぼそのまま読み上げる形で答弁し、結果として誤った答弁をした」と陳謝。技能実習制度を検証する法務省のプロジェクトチームで実態把握の在り方も検討する考えを示した。

 法務省の和田雅樹入国管理局長は新たな在留資格「特定技能1号」に移行する実習生の割合は、導入初年度は55~59%を想定し、導入から5年目までの累計で「12万~15万人で約45%」との見込みを示した。

 法務委の葉梨康弘委員長は定例日ではない22日午前に野党の質疑、午後に参考人と与党の質疑を実施する日程を職権で決めた。

■野党「統計、全く信用性ない」

 衆院法務委員会で21日に始まった入管難民法改正案の審議。今国会での成立に突き進む与党に対し、野党は失踪した外国人技能実習生を巡る法務省調査について突き上げた。今国会で最大の対決法案を巡る攻防は激しさを増した。

 「失踪動機については、『低賃金』67・2%、『実習終了後も稼働したい』17・8%、『指導が厳しい』12・6%、『労働時間が長い』7・1%、『暴力を受けた』4・9%などが正しい」。山下貴司法相は、山尾志桜里氏(立憲民主党)の質問に対して答弁を修正。「誤ったデータに基づくものを読み上げた。大変おわびしなくてはならない」と頭を下げた。

 7日の参院予算委員会で山下氏は「より高い賃金を求めて」が約87%、「実習終了後も稼働したい」が約14%、「厳しい指導」が約5%と答弁していた。

 調査自体の甘さも明らかになった。源馬謙太郎氏(国民民主党)は失踪動機を聞き取る方法について、「なぜ失踪したか聞き、該当すると思う項目をチェックするのか。賃金や労働時間など項目を全て挙げて選んでもらうのか」と確認。法務省の和田雅樹入国管理局長は「特段マニュアルを定めていない。個々の入国警備官のやり方で聞き取っている」と答弁した。

 聞き方によって回答が異なる調査内容に、源馬氏は「選択肢が示されなければ、外国人が『最低賃金以下の賃金だったから』などとは答えられないのではないか。統計の数自体、全く信用性がないものになる」と主張した。

 山下氏は、法務省のプロジェクトチームで技能実習生の実態把握の在り方を検討する考えを示したが、山井和則氏(国民)は「実態把握してから法案を作るのが当たり前だ」と訴え、後手後手の対応をとる政府を批判した。

=2018/11/22付 西日本新聞朝刊=

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