部落差別対策、自治体に差 条例制定は大分9割、長崎・宮崎ゼロ 「解放・人権研究所」初の全国調査

西日本新聞

 部落差別の解消に向けた地方自治体の取り組みについて、一般社団法人「部落解放・人権研究所」(大阪市)が初めて実施した全国調査(3月現在)で、九州7県の自治体の施策に地域間格差があることが28日、分かった。差別の解消に向けた関連条例について、大分で約9割、佐賀で約7割の自治体が制定するのに対し、長崎、宮崎はゼロ。人権啓発に関する基本計画の策定・検討状況もまばらだった。

 同日、岡山市で開かれている「部落解放研究第52回全国集会」の分科会で、研究所の谷川雅彦所長が報告した。

 2016年12月施行の部落差別解消推進法は、差別解消に向け、国や地方自治体が地域の実情に合わせた施策に取り組む責務を盛り込んでいる。法の趣旨を踏まえ、研究所が17年7月~18年3月、全国1788の都道府県、市町村に施策の実施状況をたずねた。回答したのは全国1412自治体(回答率79%)で、このうち九州7県は199自治体(同83%)。

 差別解消や同和問題の解決に向けた条例を定める自治体の割合は、大分89%▽佐賀75%▽熊本70%▽福岡69%-の4県が半数を超えた。ところが、ほか3県は鹿児島15%▽長崎、宮崎ゼロ-だった。

 一方、人権啓発に関する基本計画を策定・検討している自治体の割合は、福岡96%▽大分94%▽鹿児島85%▽熊本78%▽長崎75%▽佐賀50%-などと6県で半数を超えた。一方、宮崎は30%と低迷した。

 推進法が求める相談体制を整備している自治体の割合が半数を超えたのは、大分、福岡、長崎の3県にとどまった。

 地域間格差について、谷川所長は「部落解放同盟の活動が盛んな地区と、そうでない地区で差が開いている」と分析。推進法が掲げる自治体の責務について「被差別部落の有無にかかわらず、全ての自治体の取り組みが欠かせない。『差別をなくしましょう』というスローガンでなく、より実効性のある施策が求められている」と語った。

=2018/11/29付 西日本新聞朝刊=

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