例年なら港に響く音が聞こえない

西日本新聞

 例年なら港に響く音が聞こえない。福岡県吉富町の吉富漁港を出港する漁船のエンジン音。先日早朝、吉富漁港周辺を歩いた。年末にかけ、カニやエビ、シタビラメ、ナマコなどの豊富な水産物が取れる豊前海だが、漁師からは悲鳴が相次ぐ。昨年7月の九州豪雨、今年7月の西日本豪雨などで、吉富漁港の航路に土砂が堆積。操業時間が通常の半分にも満たないからだ。

 町は漁協の体質や人事に注文を付け、しゅんせつを先延ばししてきた。やっと工事の前段階となる堆積した深さなどを調査する業者が決まったものの、町は「来年4月以降にしゅんせつをする」とだけ説明。時期は未定だ。事業費は2億円強を見込む。

 これまで災害復旧事業の申請をしなかったため、国からの補助率が低く町の負担が大きくなる可能性が高い。今回の責任問題と合わせ、一日も早くしゅんせつ工事が終わり、漁業者に笑顔が戻る日を待っている。 (武井良範)

=2018/11/30付 西日本新聞朝刊=

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