性犯罪元受刑者、所在把握へ 福岡県条例案、届け出義務化

西日本新聞

 福岡県議会は制定を目指して準備を進めている「県民を性暴力被害から守る条例案」(仮称)に、子どもへの性犯罪で服役した元受刑者に、住所などの届け出を義務付ける規定を盛り込む方針を固めた。来年早々、条例の素案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施した上で、早ければ2月定例会に条例案を議員提案する。同様の条例は大阪府が2012年10月に施行しているが、九州では初めて。

 素案は30日、福岡県議会の主要4会派でつくる「議員提案政策条例検討会議」で了承された。

 それによると、子どもへの強制性交や強制わいせつ、児童買春などの性犯罪で服役し出所した人が刑期満了から5年以内に県内に住む場合、住所を定めた日から14日以内に氏名、住所、性別、生年月日、過去の罪名などを知事に届けるよう義務付けた。県外に転出する際も届け出が必要で、怠ったり虚偽の届け出をしたりすると、5万円以下の過料の対象となる。被害者の年齢を13歳未満とするか18歳未満とするかは今後詰める。

 元受刑者に住所などの届け出を義務付けることには「人権侵害」との声もあるが、県議会関係者によると、情報の活用は元受刑者の支援に携わる保護司などに限定する方向で、「監視ではなく再犯を防ぐのが狙い」。そのため素案には、元受刑者の社会復帰支援も規定。知事は必要に応じ再犯防止プログラムや治療を受けるよう勧奨できるとし、受診費などは性暴力から県民を守るとの観点から無償にできるとした。

 このほか性暴力の加害者とされる人に対し、知事が暴力の即時停止や被害者への接近の禁止を勧告できるなど、行政の関与を強める規定も盛り込む。

 同県の17年の性犯罪認知件数は411件。減少傾向にあるものの、人口10万人当たりの認知件数は8年連続で全国ワースト2位。

=2018/12/01付 西日本新聞朝刊=