「夢をかなえる」「人生を変える」「未来を開く」…などの宣伝帯が付いたものが目立つ…

西日本新聞

 「夢をかなえる」「人生を変える」「未来を開く」…などの宣伝帯が付いたものが目立つ。この時季、書店に並ぶ来年の手帳や日記帳類。少し大げさな誘い文句だが、“手書き文化”が健在なのはうれしい

▼高度成長期のように黙っていても暮らしが上向く時代はとうに過ぎ去った。一獲千金をうたう投資話などは怪しい。地道に目標を定め、日々の出来事などを丹念に記しながら努力を重ねる。そんな世相の表れか

▼文具店も書き入れ時。クリスマスカードや年賀状をしたためるペンや筆を新調する人は多い。今の時代、スマホやタブレットなどが手帳代わりになるし、文章の送信も簡単だが、どこか味気ない

▼手書きの文字には筆者の人柄や心境がにじむ。微妙な筆づかいや筆圧に、含意があったり、複雑な思いが込められていたり。読者から頂戴する手紙やはがきをしっかり読み込むのも記者の務めだ

▼少し気掛かりなのは郵便事情。日本郵政が土曜の配達休止を国に願い出た。人手不足による現場の負担は深刻といい、働き方改革の狙いもあるようだ。手書き文化の衰退につながらなければいいが…

▼ちなみに来年の干支(えと)は亥(い)。日本をはじめ大国の指導者を見ると、独善的なスローガンで改革に走ろうとする“猪突(ちょとつ)猛進”型が目立つ。民意を読み違えているなら危うい。彼らの性癖に拍車が掛からぬよう、年が明けぬうちに、そこはくぎを刺しておきたい。

=2018/12/04付 西日本新聞朝刊=

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