広がれ低糖質自販機 糖尿病予防へ宮崎の医師ら発案 夢は全国展開、来年福岡登場

西日本新聞

糖質を考えた自販機の設置を喜ぶ谷口尚太郎医師(左)と柿崎陽介歯科医師=宮崎市 拡大

糖質を考えた自販機の設置を喜ぶ谷口尚太郎医師(左)と柿崎陽介歯科医師=宮崎市

 甘~い飲料が入った缶やペットボトルが並んだ自動販売機に一石を投じる試みを、宮崎市の糖尿病専門医と小児歯科医の2人が始めた。糖尿病予防策として、糖質ゼロや低糖質の飲料に限定した「糖質を考えた自動販売機」を広める運動で、10月から宮崎市と熊本市の計3カ所に設置し、来年早々にも福岡市に設置予定だ。この20年間で糖尿病が強く疑われる人の割合は増加しており、2人は「健康な人が増えてもらうために、気軽に糖質ゼロや低糖質の自販機を選べるような環境になってほしい」と普及に努めている。

 低糖質自販機の設置は、糖尿病予防に力を入れる「みやざき糖尿病予防クリニック」院長の谷口尚大郎さんが、乳幼児の糖分過剰摂取を心配する「矯正・小児ひまわり歯科」院長の柿崎陽介さんに呼び掛け、自販機運営会社「ネオス」の西日本エリア九州地区の協力を得て取り組んでいる。

 10月から設置を始め、宮崎市大塚台のひまわり歯科近く、同市阿波岐原町の低糖質カフェ・ブルーオウル&ベント前、熊本市東区の川口歯科医院前に設置を終えた。いずれも糖質ゼロの飲料ばかりだが、今後は「糖質ゼロ」と「低糖質」の2タイプの自販機を展開する予定。年内には、さらに宮崎市内に2台、来年早々にも福岡市早良区に1台の設置を予定している。自販機には「糖質ゼロ」「糖質を考える自販機」などのステッカーを表示して分かりやすくしている。

 谷口さんは「現代は、食事で十分に糖分を摂取しており、さらに飲料から過剰な砂糖を摂取するのは健康に良くない。おいしいから飲むではなく、どれだけ余分な砂糖を取り込むかを考えてほしい」と話す。柿崎さんも「幼児期は繊細な味覚を獲得する時期。砂糖が多い飲み物はなるべく避けてほしい」と訴える。

 取り組みに理解を示したネオス宮崎営業所の児玉和士所長は「消費者の選択を広げる新たな試みに注目している。どの程度社会に受け入れられるのかが普及の鍵」と指摘する。自らも低糖質食品提供に取り組む「ブルーオウル-」経営の菊池彩香さん(38)は「低糖質のカフェの前にふさわしい自販機ができた」と喜んでいる。

 関係者には「低糖質をイメージする青の自販機にしたい」などの声もある。「全国展開を」と意気込む2人は、関心を持つ医師仲間や病院などに働き掛け、台数を増やしていく計画だ。問い合わせはネオス宮崎営業所=0985(29)8316。

=2018/12/04付 西日本新聞夕刊=