世界初、唾液のにおいで口腔がん診断 北九州市立大と九州歯科大が開発

西日本新聞

 北九州市立大と九州歯科大(北九州市)の研究グループは10日、唾液に含まれるにおい成分から口腔(こうくう)がんを診断する技術を世界で初めて確立したと発表した。簡易で早期発見が可能な診断方法として期待され、臨床試験を経て、医療現場での実用化を目指す。

 グループによると、初期症状が出にくい舌がんなどの口腔がんは早期発見が難しく、転移しやすい。5年以上の生存率は50%以下とされる。国内の患者は増え続け、2016年は7675人が死亡した。

 研究では、唾液のにおいのもととなる12種類の揮発性有機化合物が(1)口腔がん患者から検出できる成分(2)健康な人から検出できる成分(3)両方から検出できるが検出量に大きな差がある成分-の3群に分かれることを特定。患者12人と健康な人8人の唾液を分析したところ、ともに9割以上の確率で判別できた。

 唾液の採取は体への負担が少なく、時間もかからないため、スクリーニングに効果的という。将来的には、息を吹きかけるだけでがんの診断ができる計測機器の開発も可能となる。

 研究を主導した同市立大国際環境工学部の李丞祐(リスンウ)教授は「病気が持つ『におい情報』を明確にできたことが大きい。口腔がんに関係するにおい成分が特定できたように、肺がんや胃がんのにおいも特定できる可能性がある」と話した。

=2018/12/11付 西日本新聞朝刊=