船迫窯跡公園、企画続々 たたら製鉄や勾玉づくり体験 築上町、考古学の成果を活用

西日本新聞 北九州版

オイル缶を使った“炉”で砂鉄と木炭を燃焼させ、還元させた「たたら製鉄」(築上町教育委員会提供) 拡大

オイル缶を使った“炉”で砂鉄と木炭を燃焼させ、還元させた「たたら製鉄」(築上町教育委員会提供)

“炉”に穴を開けて不純物を出す作業(築上町教育委員会提供) 「たたら製鉄」でできた鉄の塊 船迫窯跡公園の復元工房建物(右奥)では勾玉づくりや火おこし体験なども開かれている

 古代の瓦窯跡や巨大な工房跡などが国史跡に指定されている築上町の船迫窯跡。これを生かした船迫窯跡公園は、古代の製鉄技術「たたら製鉄」を行うなど、地域と関わりのあるユニークな企画を打ち出し、歴史を学べる体験型学習拠点として多くの人に親しまれている。

■手作りの“炉”

 鉄を溶かしたような赤いものが流れ出てくると、参加者から「おお」と歓声が上がった。

 今月1日に開かれた「たたら製鉄」の体験会。町生涯学習課の高尾栄市課長補佐(56)は「これは鉄ではなく、不純物のノロ。鉄は炉の底にあります」と解説した。

 オイル缶3缶を使った手作りの“炉”に、砂浜で集めた砂鉄と木炭を入れ熱した。どこでも手に入るようなものばかりだ。1500度超まで熱すると、砂鉄は鉄と不純物に分離。鉄は炉の底にたまり、不純物は軽いため、炉に穴を開けると外に流れ出る。

 底にたまった熱い鉄を火ばさみでつかみ、水の入ったバケツで冷やしたところ、黒っぽい銀色をした鉄の固まりに。県内外から訪れた約40人の参加者は「貴重な経験」などと満足げだったという。

■銅鏡づくりも

 「たたら製鉄」の体験は1日のみのイベントだったが、企画展「鉄の歴史」は10月から今月16日までの2カ月ほど開かれている。

 「かつて鍛冶の先端技術の地だった築上町をはじめ、日本古来の製鉄の歴史を分かりやすく説明した」と話す馬場克幸係長(44)によると、公園を学びと体験の場とすることを目指しているという。

 公園には、遺跡のほか、展示スペースや陶器づくりができる「体験学習館」や「復元工房建物」もある。これまでに勾玉(まがたま)づくりや古代火おこし、銅鏡づくりなどの体験会、地元の戦争をテーマにした企画展なども開いてきたが、新たな企画案も出てきた。

■ブラタモリ?

 町内には洪水が起きやすい地域、それを示す地名も残っている。干ばつに備えた数え切れないほどのため池もある。

 高尾課長補佐は「人間が自然、災害とどう向き合ってきたのか。今後、地形から見るイベントを企画したい」という。歴史を含めた考古学の成果を多くの人に活用してもらいたいとの思いがあるからだ。

 タレントのタモリさんがぶらぶら歩き、町の歴史や魅力を解き明かすNHKの人気番組「ブラタモリ」。標高の違いによる街の成り立ちの違い、地名の理由など実際に町内を歩きながら考える企画「ブラタカオ」が登場するかもしれない。

=2018/12/15付 西日本新聞朝刊=

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