JR各社には「九州旅客鉄道」など地域名を冠にして漢字だけで表す正式な社名がある…

西日本新聞

 JR各社には「九州旅客鉄道」など地域名を冠にして漢字だけで表す正式な社名がある。ただし、ロゴ表記では鉄道の「鉄」が「〓(〓は「金へん」に「矢」)」になっている(JR四国を除く)

▼「鉄」は「金を失う」と書く。大赤字を抱えてしまった旧国鉄の姿と重なる。そこで「失」を避けて「矢」に。矢にはスピード感がある-。そんな験を担ぎ、矢継ぎ早に各社は多角的な戦略を展開している。これもその一環だろうが、物議を醸している

▼「高輪ゲートウェイ」。JR東日本が発表した山手線品川-田町間の新駅(2020年開業)の名称だ。公募では「高輪」「芝浦」などの素朴な地名案が千票以上もあったのに、36票しかなかった英語交じりの名称が採用された

▼この地域は、かつての江戸の玄関口。JR東日本は「過去と未来、日本と世界をつなぐ結節点として発展させたい」と言う。それに共感する声もある

▼だが、一帯は同社が「グローバルゲートウェイ品川」と銘打った街づくり計画を掲げる地域。それと関連付けた「我田引水」を疑う声も。地域の声よりも自社の都合を優先していないか

▼駅といえば浅田次郎さんの小説「鉄道員(ぽっぽや)」を思い出す。廃線寸前のローカル線で住民と向き合い実直に職務を貫く駅長…。全国には新駅どころか消えた駅、無人化した駅が多数ある。帰省シーズンが近い。古里の盛衰、中央と地方の格差を実感する季節でもある。

=2018/12/15付 西日本新聞朝刊=

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