「幸せに」の思いぎっしり 映画「めんたいぴりり」主演 富田靖子さん

西日本新聞

 TNCテレビ西日本のドラマ「めんたいぴりり」が映画化されました。来年1月11日から福岡県内で先行上映されます。めんたいこ製造販売の「ふくや」(福岡市)創業者をモデルにした主人公海野俊之(博多華丸)の妻、千代子を引き続き演じた福岡県出身の富田靖子さんに、華丸さんのこと、ドラマとの違い、そしておいしいめんたいの食べ方まで聞きました。

 -意外ですが、福岡が舞台の映画で主演するのはこれが初めて。

 ★富田 そうなんです。地元の言葉を使ってお芝居するのも、ドラマの「めんたいぴりり」が初めてでした。自分の「第1日本語」は博多弁。感情表現と言葉がシンクロして、温度差がないという感じです。なので大変ではなかったです。

 -夫の海野俊之を演じた博多華丸さんは映画初主演。「先輩俳優」として助言したことは?

 ★富田 何もありません。芝居をするとき先輩後輩というものはなく、役者同士という関係性しかありません。富田は富田で、華丸さんは華丸さん。これまで通りの見事な「お父ちゃん」でした。

 -撮影は1カ月、というハードスケジュール。

 ★富田 確かに映画はバタバタ続きでしたが、最初のテレビドラマも本編に加えてスペシャルドラマまで撮影したのですごく大変だったんです。だから出演者もスタッフも大変だということは分かっていて、「来た来た、大変な『めんたいぴりり』がやってきた(笑)」という感じで映画に臨みました。

 -映画もドラマと同様、夫婦愛の物語。「ふくのや」を切り盛りする海野千代子が見た映画とドラマの違いは?

 ★富田 大きなところですと画面の違いだと思います。映画はテレビと比べて画面の横幅が広い。広がった空間まで考えて演じる心構えが求められました。画面空間が違えば、私たちの存在の仕方まで違ってきます。みんなの表情が変わってきたようでした。それと、映画にはコマーシャルが入らないのも大きな違いですね。映画を見ているとき、視界の中は「めんたいぴりり」だけでほかのものは入ってこない。そんな濃密な時間を過ごしてもらえるよう、みんな全力投球しました。

 -福岡発のドラマが全国へと羽ばたきます。多くの人の心をつかめますか?

 ★富田 もちろん。家族の物語ですから。博多の家族が、山笠で始まり終わる1年の間、泣いたり笑ったり、けんかしたりする。戦後という大変な時代を必死に生きてゆく姿は、きっとみなさんの心に届くのではないでしょうか。

 -お薦めのシーンは?

 ★富田 華丸さんの相方、博多大吉さんが演じるスケトウダラが美脚を披露するところです。魚類ですよ。人魚姫じゃないんですよ。何の説明もなく自転車をこぐんですよ。これは事件だと個人的には思っています。

 -めんたいを食べる場面は本当においしそうですね。好きなめんたいの食べ方は?

 ★富田 白くて温かいご飯があれば、それだけで最高です。一腹で2杯は食べられそうです。食べているシチュエーションはちゃぶ台を囲んで家族がそろっていて、お皿から取っためんたいの大きさでけんかしたりするのがいいですね。

 -すっかり「おかみさん」が板について、「アイコ十六歳」「さびしんぼう」以来のファンは寂しい思いをしているのでは。

 ★富田 2年前のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」では孫がいましたからね。デビューした14歳のころ、将来孫がいる役をやるとは想像すらしていませんでした。でも今、年相応の役をずっとやってくることができて、女優って面白いなとあらためて思っています。鏡に向かって「重力よ、なくなれ」と話し掛けている自分も面白いな、と。

 -最後に。映画「めんたいぴりり」はどんな味?

 ★富田 まだまだ完成品にはほど遠いのかもしれません。でもきっとおいしいんじゃないかな。みんなが幸せになれるように、という思いがぎっしり詰まっています。

 ▼とみた・やすこ 1969年生まれ。福岡県出身。中学在学中に、映画「アイコ十六歳」で主演デビュー。主な出演作は、映画「さびしんぼう」「BU・SU」、ドラマ「鈴木先生」「逃げるは恥だが役に立つ」、舞台「母と暮せば」など。ドラマ「めんたいぴりり」では、2013年と15年の続編で主人公海野千代子を演じた。

=2018/12/15付 西日本新聞朝刊=

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