地球温暖化で海水温上昇…プランクトン北上を確認 赤潮の原因 長崎大など調査

西日本新聞

津軽海峡や函館湾でも確認された、赤潮を引き起こす植物プランクトンの一種(筒井英人研究員提供) 拡大

津軽海峡や函館湾でも確認された、赤潮を引き起こす植物プランクトンの一種(筒井英人研究員提供)

 温暖な海に生息し赤潮の原因となる植物プランクトンが北海道周辺まで北上していて、量もこれまで考えられていたより多いことが長崎大と山形大の研究チームの海洋調査で明らかになった。地球温暖化で海水温が上昇したことが背景にあるとみられ、漁業や生態系に影響を与える可能性がある。

 研究チームは2016年8~9月、暖かい海域にいる生き物がどこまで北上して生息しているか調べるため、長崎大水産学部の練習船で長崎県から北海道函館湾までの日本海側で水深4メートルの海水を3時間ごとにまんべんなく計66地点でくみ上げた。

 分析結果によると、赤潮を引き起こすことで知られる植物プランクトンの一種「ディクチオカ・メサネンシス」を、従来はいないと考えられていた秋田県以北から函館湾にかけて多く確認。函館湾では、海水1リットル当たりのディクチオカ・メサネンシスの量が66地点中2番目に多かった。

 プランクトンにとって寒冷種と温暖種の境目となる海水温は15度とされるが、米海洋大気局(NOAA)の観測によると、津軽海峡から函館湾の海水温が15度を上回る期間が年間で1カ月ほど長くなっている。南から暖流で運ばれてきたプランクトンが、東北や北海道周辺の日本海でも死なない環境になっていると考えられるという。

 他にも、暖かい海を好むギンカクラゲが兵庫県沖の日本海で生きたまま確認されるなどの事例があるという。長崎大大学院水産・環境科学総合研究科の筒井英人客員研究員は「食物連鎖が変化すれば生態系への影響が出てくるだろう」と話している。

=2018/12/19付 西日本新聞夕刊=

PR

最新記事

PR

注目のテーマ