波佐見焼でロマンス 佐世保出身小玉さん、月刊誌に漫画連載 窯元に密着「リアルに描写」

西日本新聞

「青の花器の森」第1巻の表紙(c)小玉ユキ/小学館 拡大

「青の花器の森」第1巻の表紙(c)小玉ユキ/小学館

 1960年代の佐世保を描き映画化された漫画「坂道のアポロン」の作者小玉ユキさん(佐世保市出身)が、波佐見町を舞台にした「青の花 器の森」を小学館の月刊フラワーズで連載している。器を愛する男女の恋物語。現地での綿密な取材に基づく器の製作描写や、波佐見焼を通して描かれる人間模様が見どころだ。

 「青の花 器の森」で描かれているのは陶磁器と坂の町「波佐見」。器の絵付けに励む女性の前に、海外で作陶していたという男性が現れる。女性は無愛想で絵付けを否定する男性に反発しながらも、彼が作る器に引き付けられていく-というストーリー。

 学生時代から陶器市やショールームへ足を運び、波佐見焼に親しんでいた小玉さん。「器ではなく、波佐見焼をテーマに描きたい気持ちから始まった」と振り返る。連載スタート前に工房が並ぶ中尾山に1週間ほど泊まり込み、型を作って器を量産し、絵付けをする職人の様子を観察した。

 例えば絵付け。円、葉、花と役割が分かれ、職人が目を見張るようなスピードで作業を進める。「想像よりもずっと工業的に出来上がっていく」と驚いた。取材でお世話になった窯元の一つ、光春窯は作品のモデルになった。

 波佐見焼は伝統的な技法を継承しながら、新しい感性やデザインを柔軟に取り入れている。そのことも印象に残った。

 作品を描くときに意識しているのは土地柄のリアリティー。窯から車で山を下り、スーパーへ向かう場面は「実際に近い感じに描けた」と語る。

 編集者によると「青の花 器の森」は、焼き物が好きな読者に着実に支持されているという。9月に単行本第1巻を刊行。来年3月には第2巻の発売が予定されている。

 小玉さんは「大好きな波佐見の器をテーマにした作品が描けて幸せです。読者の方に楽しんでいただけたら」とメッセージを寄せた。

=2018/12/20付 西日本新聞朝刊=

PR

アクセスランキング

PR

注目のテーマ