修学旅行の専門窓口を設置 施設、交通、食事…情報一元化

西日本新聞

 熊本地震で激減した県内への修学旅行生を呼び戻そうと、県と県観光連盟が滞在先の施設や交通手段といった情報を一元化し、学校側と受け入れ先をつなぐ専門のワンストップ窓口を設置した。益城町など被害が大きかった3市町村で、被災地を巡るプログラムが来年度から本格的に始まることに合わせ、積極的な売り込みに生かす。

 県庁に設けた窓口には、県観光連盟から委託を受けた旅行会社の社員1人が専門のコーディネーターとして常駐。学校や旅行会社からの相談に応じ、修学旅行の企画に必要な情報を提供する。

 これまで学校側は県内で行程を組む場合、自治体や受け入れ先の観光施設などに個別に問い合わせる必要があったが、県が各市町村の教育施設や飲食店、交通手段などを把握し、窓口を一本化することで学校側の負担を減らし、企画成立を促す。東日本大震災で被災した宮城県や福島県でも同様の窓口を設置しており、取り組みを参考にした。

 県の観光統計によると、2017年の宿泊客数は約724万2千人で、地震前の15年の水準に回復。特に外国人宿泊者数は過去最多の約74万人に上り好調だ。一方、15年に約10万6千人だった修学旅行生は、熊本地震のあった16年に3万4584人に激減。昨年も3万2839人と減少に歯止めがかからない。県は「学校は2年前には交通手段を確保するため、特に地震を機に熊本だけでなく九州への旅行を中断した学校は戻りにくい」とみる。

 県は熊本地震を逆手に取り、被災地での学びをテーマに修学旅行生の誘致を図ろうと、被災自治体と連携した企画「防災・減災教育旅行プログラム」に取り組み始めている。

 阿蘇市は今年4月から、阿蘇火山博物館で現地ガイドから話を聞く企画を始めた。来年度からは、南阿蘇村、益城町、熊本市でも震災遺構や地表に露出した断層の見学といった地震から学ぶ教育旅行の受け入れをスタートさせる予定だ。阿蘇広域観光連盟の稲吉淳一会長(49)は「修学旅行生は将来リピーターとして九州に戻ってきてくれ、観光の要だ」と強調する。

 来年4月に地震から3年を迎える。県の担当者は「修学旅行の訪問先は3年周期で変わると言われ、来年度は切り替えてもらう節目の年になる」と気を引き締める。コーディネーターを務める中尾洋樹さん(56)は「災害がどこでも起こりうる今、地震を経験した熊本で危機管理能力を高め、修学旅行生たちがこれからの生き方を考える場になってほしい」と願う。

=2018/12/20付 西日本新聞朝刊=

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