内閣支持率下落 「強引な政治」への警鐘だ

西日本新聞

 一連の強引な政治手法や政権運営に対する有権者の警鐘と受け止めるべきではないか。

 報道各社の世論調査で、安倍晋三内閣の支持率が軒並み下落している。政権側は表向き冷静を装っているが、思い当たる節がないとは言わせない。

 最大の焦点だった改正入管難民法を巡り委員長職権による乱暴な委員会運営や採決強行の連発で荒れた先の臨時国会は、「数の力」を過信する1強政治の弊害が露骨に表面化した。

 自身の口利き疑惑についてまともに説明責任を果たせない地方創生担当相に、しどろもどろの答弁や釈明を繰り返す五輪担当相など、「閣僚の資質」も厳しく問われた。

 臨時国会の閉会後も収まらない。政府が強行した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部への土砂投入開始は、沖縄の民意を無残に踏みにじった。

 専守防衛からの逸脱を懸念させる護衛艦の「空母」化や青天井かと思わせる防衛費の膨張に首をかしげる国民も少なくないだろう。

 共同通信社の全国電話世論調査(15、16両日実施)によると、内閣支持率は42・4%で、11月の前回調査から4・9ポイント落ち込んだ。不支持率は4・6ポイント増の44・1%となり、逆転した。不支持率が支持率を上回るのは今年5月以来という。

 外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正入管難民法の成立について「評価する」は24・8%にとどまったのに対し、「評価しない」は65・8%に達した。強引な国会運営はもとより、具体的な制度の設計と運用を法改正後の法務省令に委ねるなど、政府の準備不足や国会軽視とも受け取られかねない姿勢が疑問視されたのではないか。

 外国人労働者の受け入れ拡大の賛否を問うと、賛成が56・6%と反対の35・3%を大きく上回っており、政府の不手際が一段と際立つ結果になった。国民への説明や国会審議は十分だったのか。政府は猛省すべきだ。

 与党も安閑としている場合ではない。今回の調査で特筆されるのは、自民党の政党支持率が前回より6・6ポイントも減って38・6%になったことだ。依然高い水準ではあるが、落ち込み幅は大きい。公明党も1・5ポイント減の3・8%だった。

 内閣と与党の支持率下落とは一時的な現象なのか。それとも後で振り返って政治的な潮目となるかは予断を許さない。

 悲願の政権奪還を果たした第2次安倍政権は、26日で発足から6年となる。長期政権のおごりや緩みはないか。厳しく自己点検をして、謙虚な政権運営に努めるべきである。

=2018/12/23付 西日本新聞朝刊=

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