女性擁立は「多様な議会」への一歩 統一選目指す4人が座談会

西日本新聞

座談会で語り合う4人 拡大

座談会で語り合う4人

 来年春の統一地方選に県内の女性が次々に名乗りを上げている。「政治分野の男女共同参画推進法」の施行後、初めて実施される統一選。福岡市の市民団体が開いた「女性のための政治スクール」を通じて、立候補の準備を進めている女性4人から議員を目指す思いを聞いた。

◇座談会参加者◇
後藤香織氏(38) =県議選
江藤真実氏(55) =市議選
築地原陽子氏(37) =市議選
萩原洋子氏(55) =町議選

 -女性の参政権が実現して72年がたちますが、地方議員の女性比率は1割前後。立候補を決意するまでの壁は高かったですか。

 後藤 8年考えました。子どもが3人いて共働き。仕事を辞めると経済的不安もあった。ある議員からは「(票集めにつながる)飲み会に行けないから無理でしょ」と笑われた。実際、自分と似た境遇の議員は少ない。でも、そもそも「地盤・看板・かばん」がある人しか議員になれないのがおかしい。

 築地原 娘が3歳。市役所でいろんな手続きをするうちに、もっと子育てしやすい環境にしたいと思うようになった。夫は「頑張ってみたら」と背中を押してくれたけど、母は「子どもに寂しい思いをさせる。今が大事な時期やけん」と反対だった。だから行事などには、できるだけ娘も一緒に参加している。それをママさんが見て「私も議員になれるやん」って思ってくれたらうれしい。

 -心配な点などは。

 後藤 選挙期間が春休みと重なるのが心配。手伝ってくれるのもママたちなので、子どもはどうしようと思う。男性候補者は困らないんだろうな。

 江藤 前回立候補した時、子どもが小学生だった。事務所に近所の子どもも集まって、すごく楽しかったみたい。外から中が見える事務所にして、ママたちも来てご飯を作って食べて。(子育て面では)かえって楽だったかも。

 萩原 私はあまり「女性」を意識していない。ケアマネジャーとして高齢者福祉に関わってきて、行政に改善を求めるだけでは動かないので立候補することにした。「女性だから」じゃなく、議会にはさまざまな当事者、多様性が必要ってこと。私は福祉の当事者として立候補する。

 江藤 女性だけじゃなく、若い人、LGBT(性的マイノリティー)、障害者の意見も反映させる議会にしないといけない。

 -多様化に向けた第1陣が女性なのですね。どうすれば女性も立候補しやすくなりますか。

 江藤 家族の理解が一番。子どもの年齢など、立候補できる環境が整っていないと。でも、その環境は自分がつくっていかないといけない。ある子育て中の女性議員は、一緒に活動する仲間がご飯を差し入れてくれるそう。男性の組織に比べて女性の組織は、もっと生活に根ざしたものになっている。次の世代の女性が立候補しやすいように、環境を変えていこうと思う。

 萩原 私の事務所も、手伝ってくれてるのはケアマネジャーとして担当した高齢者の家族。うちでは「スリッパとコップは各自持ってきて」と頼んでいる。お金は必要なところに使いたいから。それに、自分のコップなら自分で洗ってくれる。

 築地原 そんな発想は男性にはないかも。買えばいい、片付ける人を雇えばいいってなる。

-そうした積み重ねで、「地盤・看板・かばん」が不要になるといいですね。

 (敬称略)

=2018/12/27付 西日本新聞朝刊=

PR

PR

注目のテーマ