対馬宗家文書をネット共有へ 全国10万点をDB化 長崎大教授ら

西日本新聞

宗家文書の一つで、対馬藩政を記録した「毎日記」(長崎県立対馬歴史民俗資料館所蔵) 拡大

宗家文書の一つで、対馬藩政を記録した「毎日記」(長崎県立対馬歴史民俗資料館所蔵)

 江戸時代、朝鮮との外交や貿易を一手に担った対馬藩の記録「宗家文書(そうけもんじょ)」について、長崎大の木村直樹教授(日本近世史)らの研究チームがインターネット上で一括閲覧できるデータベース(DB)を開発する。宗氏を藩主とする対馬藩が残した13万点超の文書や絵図は、近世外交の「一級史料」とされるが、全国に散在するため解析が進んでいない。史料へのアクセスを容易にすることで研究の裾野を広げ、全容解明につなげたい考えだ。

 地理的、歴史的に朝鮮半島と近く、江戸幕府との橋渡しを担った対馬藩。豊臣秀吉の朝鮮出兵で断絶した国交の回復のため、偽造した朝鮮国王の印や書状を幕府に届けるなど、策を巡らした。江戸や釜山に拠点を置き、朝鮮外交の実務や貿易を担うことで藩財政を潤わせた。

 宗家文書13万点は一つの大名家史料としては屈指の規模で、うち6万8千点が国重要文化財。偽造した朝鮮国王印や藩政を記録した「毎日記」など、現在は東京大など国内6機関と韓国に分散している。研究チームは7年前、長崎県立対馬歴史民俗資料館(同県対馬市)など4機関所蔵の10万点の目録を閲覧できるDBを作ったが、作成に携わった関係者しか見ることができなかった。

 新たに開発するDBではこの10万点を画像で収録。キーワードで検索できる機能を導入し、幅広い分野の研究者や市民の利用を促す。完成は2020年が目標。長崎県も開発に加わり、同年に対馬市に開館予定の県立対馬歴史研究センターの機能強化につなげる。木村教授は「宗家文書は地方から日本と世界が分かる貴重な史料群。研究成果を地域に還元するため、子どもたちも楽しめる仕組みを考えたい」と話している。

=2019/01/08付 西日本新聞朝刊=

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