「まずいな、おおっぴらにできないな」関与認めた警官 昇任試験問題集執筆に現金

西日本新聞

 「EDU-COM」(東京)の支払いリストに載る11府県警の現職警察官とOB(執筆時は現職)の計21人を取材した。複数が関与を認め、執筆に至った経緯を明かした。

 「後輩に勉強する指針を提供してあげられたらいいな、と。お金はどうでもええわけですよ」。奈良県警を昨春退職した元警視は、現職時に執筆していたことを認めた。

 リストによると、元警視は2012年8月~17年2月に4150㌻執筆し、計約400万円を受け取ったとされる。執筆した設問や模範解答は刑事から警備、交通、地域などの分野に及ぶが「僕はオールラウンドプレーヤーやもん。全部分かる」と説明。「金額までは覚えていない」としながらもリスト記載時の執筆を認め、EDU-COMの設立以前は他社にも書いていたと明かした。
 警察庁に出向時、上司の理事官から「今回はこのテーマで書いてあげてよ」と割り振られ、執筆料も受け取るよう指示された。問題集を使ったことがあり「こうやって出来上がるのかと初めて知った」という。

 県警に戻った後も退職まで続けた。「副業には当たらない。(問題集が)なくなったら後輩が困る」

 福岡県警の現職警部も警察庁出向時に前任者から引き継いだ。毎月執筆し3年弱で受け取った額は約37万円。「公務員だから、変だなという認識はあった。後任に引き継ごうとしたが断られた」と答えた。

 OBや上司から頼まれたケースも。兵庫県警の元警視は「OBから指示された。途中でやめたいと思ったが、後任を見つけなければやめさせてもらえなかった」と話した。

 千葉県警の元警部は、副署長を通じて署長から頼まれた。「忙しくて嫌だったけど、先輩(署長)に協力しろと言われて…」

 「単なる小遣い稼ぎ。本当は副業申請がいるんだけどね」。神奈川県警の元警視は、署に営業に来た女性社長から直接頼まれた。13年夏から毎月のように執筆し、月の執筆料は1万~3万円。「まずいな、おおっぴらにできないな」と周囲には隠していた。

 一方、7年間で1500万円超を受け取ったとされる大阪府警の現職警視正は「書いていないし、金も受け取っていない」と否定したが、執筆を割り振ったのかとの問いには「何とも言えない」「分からない」と繰り返した。

=2019/01/08付 西日本新聞朝刊=

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